「紅井さんは今日も詰んでる。」 は尾高純一(原作)、野田大輔(作画)による漫画作品。
高校1年生の紅井小馬(あかいこま)、世間では天才美人棋士と呼ばれている。
その正体は、将棋部顧問の新任教師が気になる残念系女子。
ちなみにツンデレである。
紅井さんと国語準備室
新任の国語教師只野は、将棋は初心者だが将棋部顧問の肩書をもっている。
その理由はおそらく彼女にある。
国語準備室に入り浸る生徒、紅井小馬(あかいこま)、将棋部員の1年生。
くつろぎの将棋部屋。
座り心地のいいソファ、手の届く距離に積まれた本、備蓄されたお菓子たち。
ここは彼女が将棋に集中するための場所。
当然ながら管理者である只野とは衝突するが、利用者としては彼女のほうが長い。
だが将棋ファンを侮ってはいけない。
”様々な職場で要職を占める人々”、もちろんこの学校も例外ではない。
紅井さんは「天才美人棋士」と呼ばれてはいるが、プロの棋士ではなく、女流の棋戦にも参加していない。
彼女は奨励会員。
入会したての六級でもアマチュア都道府県代表クラスとも言われる。
小学生のうちにそのレベルに達するような秀才たちがプロを目指すために所属する。
狭義の棋士は、この奨励会の三段リーグを勝ち抜いてプロになった者*1。
年に数名の狭き門。
そして、女性でここを突破した者は未だ存在しない。
彼女が戦うのはそんな世界。
将棋以外のことをやらないためには努力を惜しまない。
穴熊女子登場
学校にはもう一人奨励会員がいる。
紅井さんのライバルの穴熊女子(熊成分多め)の黒木成(くろきなる)だ。
見た目に反して鉄壁の防御力を誇る。
コミュ障気味の紅井さんの、数少ない仲良しの女の子。
彼女もこの部屋が気に入ったらしく居着くことになる。
初心者の只野に将棋の魅力を伝えるために、興味のあるカードゲームで例えて説明する紅井さん。
将棋には数百年の間に生まれた戦法や定跡が無数にある。
こういったところから興味を持つのもいいんじゃないだろうか。
将棋漫画らしい部分もみせつつ、基本は日常系なので将棋に興味がない人も安心して読めると思う。
ゆるい日常系なら「将棋の渡辺くん」などもある。
これから将棋を始めたい人にはこの本から。
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