「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
53話は、百火の右目の因縁とは。
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はある門を通り大正時代に漂流。同じ「猫鬼の呪い」の陰陽師の摩緒(まお)と出会う。彼は寿命を操る秘法を継ぐために必要な生贄。故に5人の兄弟子に命を狙われている。大正で新事件が発生。摩緒と百火がそこに向かうと不知火側にいた軍人・白眉と遭遇する。彼は百火と因縁があるようで…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)53話 ―仮面の下―」より)
白洲大尉の正体と百火との因縁
とある村で起こった事件のニュースに、百火が反応した。
発見者の証言に出てきた鉄の案山子みたいなものを、以前見たことがある。
それはもう二十年ほど前のことで、彼が右目を隠していることと関わりがあるようだ。

そもそも百火は死んでも生き返るような特殊な体質の持ち主である。
その彼に消えない傷を負わせることができるのは何者か。
そして、この相手こそが百火の警戒していた自分を殺しに来ると考える敵なのではないだろうか。
久し振りの手掛かりを得て、さっそく村への調査へやって来た彼らが目にしたものは? という展開。
言うまでもなく相手は金の陰陽師である。
帝都での襲撃に邪魔が入ったため、今度は人里離れた場所へ誘き出す作戦に出たようだ。
つまりターゲットは摩緒で、今回も百火はついでに釣られた形になったと言えるだろう。
このへんの扱いは不憫だが、彼の実力も少しずつ明かされていくに違いない。

属性的にも百火の火は金に強いので、積極的に狙っていくなら不知火も一緒のほうがよさそう。
摩緒と百火が揃っているのは想定外だったとしても、依然として余裕のある態度が気にかかる。
実際に二人の連携攻撃を受け止めたところを見ると、それなりに実力のある使い手なのだろう。
以前の回想シーンに、師匠の指示で御降家の仕事を実行する場面もあったし、当時から幽羅子の存在を知る人物だったのかも知れない。
真砂などと並ぶ高弟の一人だろうか。
改めて五色堂のメンバーであることも言及された。

900年に渡って生き続けてきた彼らも、決して不死身なわけではない。
後継者争いを終わらせるまで死ねない呪いのようなものなのだろう。
そこに期限があるのかどうか。
最後に勝ち残ったものの寿命はどうなるのかとか謎がまだまだ多い。
白洲大尉こと白眉の本当の目的とは何だろうか。
摩緒を御降家の敵に仕立て上げた張本人である彼は、師匠や紗那を殺害した犯人を知っている気がするのだが…
単行本5巻は2020年8月18日発売予定。