「雨でも晴れでも」はあらた伊里による漫画作品。
月刊コミック電撃大王で2019年12月より連載を開始した。
巫女服、静寂、二人きり。少女たちの青春がはじまる――。
本作は2019年完結の「とどのつまりの有頂天」(少年画報社:全2巻)のリブート版であり、そちらを知っていればまた別の楽しみが増える作品となっている。
前作『とどのつまりの有頂天』はとばし気味のフルスロットル百合でしたが、今作はもうなんか光速の百合なのでどうぞついてきてくださると嬉しいです。いろいろ語りたいことがありますが、連載始まったらおいおい話していけたらと思います!とりあえず帰ってきましたただいまー!!☺️
— あらた伊里@12月から新連載 (@aratairi) November 27, 2019
光速の百合がどうなるのかは分からないが、1話を読んだ印象だとコメディ要素は抑えめながら百合度は増している気がする。
前作はこちら。
有頂天高校に巫女部誕生
海に囲まれた有頂天高校の敷地内には、ひっそりと佇む神社がある。
昔は神道系の学校だったためであるが、今では訪れる人もいないらしい。
京都の山奥から入学してきた山田美古都(やまだ みこと)は、2ヶ月が経った今もクラスに親しい友人もできず、放課後のひとときをこの場所で過ごすのが日課になっていた。

それは実家に居たときのように寛げるということの他に、生徒会の猫崎蓮(ねこざき れん)に会えるのが楽しみなのも大きいだろう。
彼女は何かと理由をつけ毎日のように来てくれて、巫女部の申請や神社を部室として使えるように便宜を図ってくれるのである。
お互い、この学校で唯一の仲の良い相手であり、密かに友達以上の関係になりたいと思っていたりする。
と、ここまでは基本的に前作同様の流れ。
神社に階段ができていたり、制服の季節感が修正されたりと細かな変更点はある。
「魂かわらず外見が少し変わる子がいる」と予告されていたキャラデザの件も椿と辺銀に見られるが、いい方向に変化しているようで安心した。

部室が無くて申請を断られた寄せ集めのマイナー部の連中が行き着くところと言えば一つしかない…はず。
この賑やかなメンバーに囲まれて、美古都と猫崎さんの恋が描かれていくのだろうけれど、おそらく一番の違いは猫崎さんが飲み込んでいた言葉を口にできるようになっていること。
すれ違い続けた二人が、早い段階でカップル成立に行き着くのかもしれない。

あと、猫崎さんがギャグ顔をしなくなったなと。
本来クールビューティな彼女が、美古都の前ではポンコツになるところが好きだったのだけど。
前作は前作で完結しているので、縛られずに展開できるのがいいところなのかもね。
カオスなハイテンション百合コメディから優等生的学園ラブコメに移行しそうで寂しさはあるものの今後を楽しみにしたい。