「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
27話は、師匠の娘・紗那の可愛がっていた猫とのエピソード。
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はかつて事故に遭った地を通り大正時代へ。そこで出会った陰陽師・摩緒(まお)と同じ蠱毒・猫鬼に呪われている事が発覚。様々な謎を握る猫鬼を追う2人は摩緒の兄弟子・百火(ひゃっか)と邂逅する。そこで摩緒が秘法を受け継ぐための生贄でさらに師匠の娘・紗那を殺害した容疑があると知り――
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)27話 ―灰丸―」より)
復旧の進む五行町
大地震による被害を受けた五行町商店街も少しずつ片付き始めている。
摩緒の診療所は幸い火事は免れたのと、通っていた妖怪たちの手伝いもあって早いうちに再開の目処も立ちそうだ。
菜花も御降家や呪禁道について調べてみた同級生の白羽に教えられ、事件の背景を把握しようとしていた。

摩緒や百火が弟子入りしていた御降家が、表向きは陰陽師としての活動をしながら密かに呪禁道の秘法を受け継いできたのは、典薬寮が陰陽寮に吸収された際に鞍替えした家だからかもしれない。
ただし記録には残されていないため詳しいところは不明である様子。
事件後に抹消されたのか、あるいは陰陽師としては有力な家ではなかったのか。
弟子もそこそこ多そうなことから、それなりの規模だったのではと思われるのだけれど。
今回、白羽くんの存在が初めて役に立った気がする。
以前菜花に頼られたのが余程うれしかったらしく、周辺に姿を見せることが増えたのだが、解説役としては優秀なのかも。
紗那の飼い猫

師匠の娘・紗那の飼っていた猫は灰丸という名で、彼女以外には懐かないのだという。
救出に失敗した百火の放って置かれ方が好き。
外見などから猫鬼になった猫で間違いないが、摩緒自身はこの時にはもう狙われていたのではと考えている。
何のために?
すでに長く生きて化け猫に近い状態だったのか、飼い主の意思を反映してのものだったのか、少なくとも興味を持っていたようである。
今思えば、900年前の戦いの中で猫鬼は摩緒に対して敵意は持っていなくて、共に生き長らえようとしていたようにも見えるのだ。
千年に一人の器としての摩緒の才能が、後継者として指名されたことと関わりがあるのかどうか。
この灰丸を蠱毒にしようとした者が事件の黒幕なのだろう。

一方、帰りの遅い女給仲間を心配して探しに来た貂子に声を掛ける者がいた。
見るからに怪しげな男によって彼女も事件に巻き込まれるのか?
その正体も気になるが、新キャラの存在もあってピンチを迎えそうである。
単行本3巻は1月17日に発売予定。