「荒ぶる季節の乙女どもよ。」は岡田麿里(原作)、絵本奈央(作画)による漫画作品。
別冊少年マガジンで2016年12月より連載を開始した。
6巻は、いよいよ動き出す乙女たちの日々。
幼なじみ・泉に告白され、結ばれた和紗。浮かれる彼女の一方で、それぞれの“性”が動き出す。執着する者、友人への想いを自覚した者、最後の勝負に挑む者。乙女どもの転機となる夜が幕を開ける。
前回はこちら。
文化祭の明暗と新菜の覚悟
文化祭の日の告白から付き合いだした和紗と泉。
生まれたときから続けてきた関係が変わることを恐れていたのも杞憂に終わりそうである。
外で話すことを避けがちだった彼女にとっては、むしろ昔のように気安く接することができるくらいだった。

加えて恋人として迎える新たな日々は希望に満ち溢れていた。
家も隣同士なのに時間を決めて待ち合わせして登校する初々しい始まり方。
手が触れ合うことに必要以上に意識したり、部屋での位置関係に迷ったり、今まで当たり前だったことのひとつひとつがドキドキのイベントに変わっていくだろう。
もちろん親へ知られるタイミングも慎重になる必要がある。
喜んではくれるだろうが、二人の方が恥ずかしさで耐えられなくなりそう。

変わったと言えば曾根崎先輩は代表格。
もはや周囲に隠す必要もない公然の仲となった天城との関係をもって、ポジティブに開き直っていた。
以前の拗らせたキャラからすればとてもいい変化であり、周りにも好影響をもたらしそうな気もするが。
今回のハイライトは、そんな中でぶち込んできそうな新菜の動向にある。
泉への恋心を諦めようとはしない彼女と、その様子を見守るもーちん(百々子)によって明らかになる波乱の予兆に目が離せなくなりそうだ。

心配して思いとどまらせようとする友達に対しての決別の言葉。
文芸部に入ることで初めて出来た和紗や百々子との友情を捨ててでも追求しようとする覚悟の前に、これ以上何を言えただろうか。
ここに来てもーちんも自らの方向性を定めたように見える。

問題は、新菜の小悪魔的揺さぶりに泉が耐えることができるのかどうか。
大丈夫なはず。だけど…?