「さよなら私のクラマー」は新川直司による漫画作品。
月刊少年マガジンで2016年5月より連載を開始した。
39話は、追い上げられた興蓮館が動き出す。
前回はこちら。
興蓮館の反撃
周防の活躍で興蓮館へ迫ろうとするワラビーズ。
それに対する相手の答えとは?
格の違いを見せつけて、美しく華麗に勝つことである。
それは日本一のチームとして、これからも女王として君臨しようとするチームとしての責務であると。
たとえテストマッチと言えど遅れを取るわけにはいかないのだ。

同時に、ワラビーズとしてはそこが付け入る隙でもある。
全体的に引いて守られれば逆転は難しく、そんな状況になる前に追いつきたいのが本音。
実際のところ、興蓮館の藤江の頭には自陣でボールを回してカウンターを狙わせる考えもあったようだ。
だが、インターハイ得点王の来栖未加をはじめとする選手たちは攻撃を厚くすることを選択するのだった。
むしろ極振りに近いかたちで仕掛けてきている。

安全に勝とうなどとは思わない。
リスクを背負ったままで自分たちの方が上だと証明しようとしているのだろう。
恩田や周防のゴールでワラビーズに守備陣を突破する力があることを理解したからかもしれない。
熱く込み上げてくるものがあるせいかもしれない。

高萩監督はそのやり方を見守ることにするようだ。
今でこそ強豪校として名を連ねているものの、少し前までの彼女たちは打倒久乃木学園に燃えるハングリーなチームだったのである。
華麗とは程遠い、泥臭い選手たちによる凡人のチーム。
ただし、目指すのは最強の凡人のチームである。

そのために地獄のような練習にも耐えてきた。
天才でなくたって勝てる方法を模索してきたのである。
華麗かどうかはともかく、ここからが興蓮館というチームの底力がみられる展開になりそうだ。

そういうところこそ興蓮館らしさであり、梶の認める来栖の姿なんだろうね。
試合も終盤に差し掛かりそうな時間、ここでの1点は大きいが…