
「とんがり帽子のアトリエ」は白浜鴎による漫画作品。
月刊モーニング・ツーで2016年7月より連載を開始した。
ユイニィに掛けられた魔法を反転させる陣で助けようとしたココたちだったが…
前回はこちら。
魔法使いを目指すことになったココは、キーフリーに弟子入りする。ある日、同じ弟子であるアガットとリチェ達が「第2の試験」を受けることに。だが、試験中に「マントのつばあり帽」の妨害が入り、一緒に試験を受けていたユイニィは鱗狼の姿に変えられてしまう。ユイニィを元の姿に戻そうとココ達は知恵を絞って魔法陣を描くが、姿は戻らない。そこに「つばあり帽」が訪れ、ココに禁止魔法を使うように囁いた。
(「前回までのあらすじ:とんがり帽子のアトリエ」より)
ユイニィを取り戻せ
鱗狼に変えられたユイニィの魔法を解くために、ココたちが考えた方法は、掛けられたものとそっくり反転させた陣を重ねれば相殺できるのではというもの。
これは線の正確さや長さも合わせる必要があるので難易度の高い試みであるのだが、やってみる価値はある。
その結果は成功とも失敗とも取れないものとなった。
人間の姿に戻る気配はない。
だが、自我は取り戻すことができたようだ。

ココに禁止魔法を使わせようとそそのかす「つばあり帽」イグイーンから彼女を救ったのはユイニィだった。
言葉が通じるようになっただけでも大きな一歩である。
発想自体はよかったのだろう。
陣に問題があったのかそれとも別の方法が必要なのかはこれから検証していけばいいのである。
あせって敵の誘いに乗ることはない。
このあたり、テティアの言葉が力強い。
創作魔法を志す彼女らしいね。

希望としては、イグイーンの魔法によって元の姿に戻すことが可能であることがわかったこと。
向こうとしてもその魅力を伝えたいはずなので当然なのかもしれないが。
これを禁止魔法に頼らずに再現できるようにしたいのだ。
今回の解決方法は意外なものだった。
完全にではなくとも希望はつないだし、「つばあり帽」の思惑を突き返せる強さがあることも確認できた。

ココの言葉が頼もしい。
一時は絶望的な状況からここまで盛り返したのは確かな成長を感じられるところである。
これはこれでつばあり帽としても楽しみが増えるものかもしれないけれど。

帰還したリチェとユイニィの場面がハイライト。
ここのモノローグっぽいナレーションの内容が気になるのだが。
一年越しの伏線がこんな形でくるのか。
長かったロモノーン編も今回で一段落して、久々のアトリエかと思いきや、異変に気づいた魔警団が介入してきそうな雰囲気。
次回からは大講堂編とのこと。
そして気になるところで来月休載なのである。
単行本5巻の発売日は5月23日に決定。
例によって限定版もある模様。