「ウォーム・ボディーズ」は2013年公開の作品。
ポップでロックなゾンビ映画である。
普段ゾンビ映画を観ない、グロい描写が苦手な人にもおすすめ。
多くの映画で、駆逐される存在であったゾンビの側から人間を見ることができる。
“R” 、あなたはどうしてゾンビなの的な展開だ。
あらすじ
近未来、感染症が蔓延し8年ほどが経ったアメリカのとある都市。
生き残ったわずかな人々が高い壁に囲まれた街で暮らしていた。
外の世界はゾンビや、さらに凶暴化したガイコツたちが徘徊する危険な場所。
それでも調査や資源調達のために外に出ることも必要だった。
調査団に志願したジュリーは、建物内でゾンビの集団に襲われるが、その中の一体のゾンビ、“R” に命を救われる。
ゾンビの日常
Rは、他のゾンビたちの多くがそうであるように、空港内で暮らしていた。
生きている時のことはわからないし、名前もRで始まることしか覚えていない。
理性を失ってガイコツになることを考えると落ちこむし、互いにうめき合ったり見つめ合ったりする親友もいる。
趣味は音楽だ。
iPodよりもアナログレコード派。より人間的だからね。
ゾンビだってお腹はすく。
そんな時は街へ食糧を調達に行くけれど、外は危険だ。
人間が銃で頭を撃ってくるから。
せめてもの自衛策は、集団で行動すること。
恋しちゃったんだ
ある日、仲間たちと食糧の調達に出かけたRは、人間の集団に遭遇する。
戦いが始まる中、Rは果敢に戦うジュリーに心を奪われる。
人間の脳を食べると記憶を手に入れることができるが、Rはジュリーの恋人の脳を食べていたのだ。
この思いは記憶のためなのか、自らの心なのか。
最初のうちは怖がっていたジュリーも、Rの優しさに触れ、しだいに心を開いて行く。
人間らしさとは
生き残った人間たちは、ゾンビを敵とみなし、見つけたら即攻撃する。
ゾンビたちも、自衛のためとはいいながらも、人間を食べなければ飢えてガイコツになってしまう。
善悪ではなく、それは立場の違い
冷酷で血も流れないゾンビのイメージをまるでパパみたいと言うジュリーと、レコードのコレクターでアナログの音をより人間らしいと思うRと、対立する二つの勢力の中の異分子的な存在が世界を変えることができるのか。
人として生まれただけで人間らしいわけではない。
ゾンビになったら人間らしさを全て失うわけではない。
相手を理解しようとしさえすれば愛することもできるのだ。
たとえそれがゾンビであろうとも。
ただしイケメンに(ry
もがいてるのね。人間になろうと努力してる。私たちも同じよ。
あとがき
「相手を認めるという気持ち、人間を人間たらしめるもの」 を描きたかったと監督が語っているように、キュートなゾンビ映画になっている。
現在、Hulu、Netflix、Amazonプライムビデオで視聴可能。
原題:Warm Bodies
監督:ジョナサン・レヴィン
原作:アイザック・マリオン「ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語」
出演:ニコラス・ホルト
テリーサ・パーマー
ロブ・コードリー
アナリー・ティプトン
ジョン・マルコビッチ
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