
「ふしぎの国の有栖川さん」はオザキアキラによる漫画作品。
別冊マーガレットで連載中。
門限6時で趣味は落語! 純真純情な有栖川鈴は今日もやんごとなき女子高生活を送っています。
周りの子たちは男の子に興味津々ですが、有栖川さんはあまり興味がなさそう。
そんな中、男子校の野宮宗介くんと電車で出会います。男免疫0の有栖川さんはそんな彼に…?(別冊マーガレット公式サイトより)
過保護な祖父に大事に育てられた有栖川鈴は、世間知らずなちょっと変わった女の子。
芝浜女子高等学校の一年生である彼女は、周囲が恋愛に興味を示す中、門限は18時で趣味は落語。
休日は祖父と寄席や将棋を楽しむという、友人たち曰く「プライベートの過ごし方が晩年」な日々を送っていた。
恋愛なんて成人してからくらいに考えていたのだが、ある日運命的な出会いをする。

門限に間に合わせるため、ドアが閉まりそうな電車に乗ろうとしたところを助けられた。
彼は野宮宗介、となり町の男子校に通う生徒で、男女問わず人気がある。
相手が相手なら連絡先を交換して、仲良くなって、いつしかいい雰囲気に、というのもありえるが、有栖川さんではそうはいかない。

ドラマの壁ドンすらNGな彼女である。
連絡先を教えるなんてとんでもない。
一方の野宮くんも奥手というほどではないにしても、恋愛より友人関係を優先させていて、外見で寄ってくる女子には見向きもしない。
自然に任せているといつまで経っても始まらなそうな二人の代わりに、友人たちのバックアップ体制は万全である。

この辺りが女子校・男子校のよさなのかもしれない。
出会いのチャンスに積極的な友人たちのおかげで、電車や駅で偶然会うことに頼っていた彼らが一緒に過ごす時間が増えることになる。
何しろ連絡先を交換するだけでも1巻まるごと費やすほどなのだ。
今時珍しい奥ゆかしさ。
そんな消極的な鈴が少しずつ恋に目覚めていく様子が描かれていくと思われる。
初めてのゲーセンで夢中になるところなど初々しくてよい。

ただの世間知らずではなく、自分が変わっていることを自覚しつつ芯の強さも持ち合わせている部分が彼女の魅力である。
恋する気持ちに気づいた時の有栖川さんがどうなっていくのか楽しみだ。