「泥棒成金」はアルフレッド・ヒッチコック監督による1955年公開の映画。
盗難事件の容疑をかけられた男が自力で犯人を追う。
あらすじ
フランスのリゾート地リヴィエラでは、近頃宝石の盗難事件が連続していた。
上層階の裕福な婦人ばかりを狙った鮮やかな手口は、かつて巷を騒がせていたキャットと呼ばれる宝石泥棒を思わせるものだ。
ジョン・ロビーは戦争中のレジスタンスでの活躍で恩赦を受け、仮釈放の身。
現在は足を洗い、丘の上の別荘で悠々自適な生活を送っていたが、事件により疑いをかけられてしまう。
無実を晴らすため、自らの手で犯人を捕まえようと昔の仲間の元へ向かった。
【予告編動画】
To Catch a Thief (Alfred Hitchcock, 1955) - Trailer - YouTube
仲間の協力と盗みの手口
仲間たちは、今では海辺のレストランのスタッフとして働いていたが、ロビーを見ると不快感を示す。
ロビーが捕まることによって、自分たちにも危害が及ぶことを恐れたためだ。
それほど手口がそっくりであったということであり、仲間も彼を疑っている。
孤立無援かと思われたが、オーナーのベルタニから一つの情報を得る。
保険会社のヒューソンの紹介だ。
盗難事件を解決したいという点で利害が一致し、共に犯人探しに乗り出す。
冒頭で盗みのシーンが描かれるが、ここは文字通りキャットが登場する。
屋根伝いに黒猫が音も無く忍び寄り、事が済むと窓から去っていく。
この手口にはさすがにニヤニヤさせられる。
遊び心ある演出。一番の名シーンはここかもしれない。
- Photo credit: Chris Yarzab via Visualhunt.com / CC BY
モナコの風景とグレース・ケリー
リヴィエラはフランスからイタリアにかけての海岸地帯で、フランス側はコート・ダジュールと呼ばれる。
有名な都市はニース、カンヌ、モナコ。
グレース・ケリーは後にモナコ公妃となるが、婚約が発表されたのは本作公開の数カ月後。
警察の追跡を逃れるカーチェイスの後、眼下にモナコ市街を見晴らせる丘に辿り着く。
ヒッチコック監督はグレース・ケリーがお気に入りの女優だったようで、3作品でヒロインとして起用している。
「裏窓」、「ダイヤルMを廻せ」、そして本作だ。
作品の出来としては前の2作には及ばないが、グレース・ケリーの美しさを堪能できるのは本作が一番ではないかと思う。
こんな美女に追いかけられる50代のケーリー・グラントがうらやましい。
- Photo credit: thefoxling via Visual hunt / CC BY-NC-SA
あとがき
この「泥棒成金」が配信されるのはおそらく初めてだ。
しかもプライムビデオ対応。
観ておかない手はないだろう。
あと、ヒッチコック作品として一押しは「裏窓」。
それでは。
原題:To Catch a Thief
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ケーリー・グラント
グレース・ケリー
ジェシー・ロイス・ランディス
ジョン・ウィリアムズ
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