「さよなら私のクラマー」は新川直司による漫画作品。
5話は、ついに蕨青南の、周防の反撃が開始する。
前回はこちら。
地獄に堕ちる、準備は出来た?
試合開始直後には持ち味の俊足を見せた周防だが、その後は久乃木の佃に抑え込まれていた。
U-17代表として、踏んできた場数が違う。
周防もスピードでは負けないものの、絶妙にコースを潰してくる相手に持ち味を生かせない。
久乃木の選手たちは、女子サッカーを牽引するのは自分たちだという自負を持っている。
ドリブル一辺倒ではそうそう通用しない。
ちょっと目先を変える必要がある。
もっと周りを使えというチームメイトたちに周防が出した答えは――。
蕨青南の期待のFW白鳥はチャンスには絡むが、未だ真価を発揮できないままでいる。
いやむしろこれが持ち味とも言えなくもないが、何か持ってるだろうと思いたい。
おいしい所を持っていく嗅覚はあるので、あとは得点につなげられればいいのだが。
この役を彼女以外の誰がこなせるだろうか。
試合終了間近になって、蕨青南が勢いに乗ってくる。
まずは1点が欲しい。
カウンターが鋭い。おさえられなくなってきた。
久乃木学園にとっても苦しい時間帯になったが、それでも彼女たちは引かない。
失点をおそれて守りに入ったり時間稼ぎをするチームではない。
そのことを蕨青南の深津監督は「青くせぇ」と評するが、能見コーチのように「誇りと責任を忘れない気高いチームだ」との考え方もある。
この二人の視点の違いが蕨青南にどう影響していくのか。
今後チームが強くなるためには深津監督のやる気が必要になってくるが、今のところはめんどくさいおっさんだ。
こぼれ球を拾ったのは恩田希。
DFと守備に戻った井藤に囲まれながらも個人技で抜け出す。
この一瞬のプレイは相手のエース井藤に強く印象づけたようだ。
後日再会した時のお互い気になってる様子が微笑ましい。
ルーレットで抜け出して決定機を作る流れは、「さよならフットボール」の終盤そのままの再現だ。
恩田希の中学最後の試合。
歩くのもやっとの足でターンを決めてそのまま正確なクロスを上げるというとんでもなさだった。
当時は怪我のためそのままグラウンドを去った彼女だったが、今回は続きがあるということがうれしい。
1話から3話までを収録。
恩田希の中学時代。品切れになることが多いので電子書籍がおすすめ。ただし表紙は旧版の方がいい。
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