「告白びより」は中村ひなたによる漫画作品。
タイトルからもわかるように、恋のはじまりを描いた短編集である。
『けだるげな君のキラキラと』『こっちむいて、汐見くん』『甘党くんと恋の味』『君とシールを集めたい』の4編。
大好きな彼に想いを伝えたら、どうなるのかな。片想いに勇気をくれる、ほっこり かわいいピュア恋4編。
このコピーと表紙はちょっと手にとるのをためらうキラキラさ。
電子書籍があってよかった。
恋の始まりから告白までを、当事者である二人に焦点を当ててシンプルにまとめた4つの物語。
けだるげな君のキラキラと
CDショップでアルバイトをしている佐久間さんは高校二年生の女の子。
仕事にも慣れ始め、先輩たちとも仲良くなってきた。
話しやすい美衣さんや、爽やかメガネ男子の間宮さんと違って、よくわからない存在なのが久野さん。
いつもだるそうで、マスクを離さず、休憩室のソファで寝ていることが多い。
彼女は、そんな久野さんに気まずさを感じているのだが。
久野さんなりの気遣いか、何かしら話しかけてはくれるが、ちょっと感性がずれているところがある。
話下手なせいなのかもしれない。
仕事をがんばる佐久間さんをさり気なくフォローしてくれる優しさとこの無防備な笑顔。
これはやられますよ。
久野さんを気になりだした頃に追加されるヘアピンがテンションをあらわしててかわいい。
表紙の女の子はこの佐久間さん。
こっちむいて、汐見くん
高校の入試の日、大雪の影響で電車が運転を見合わせていた時、駅で転んだ松下さんを助けてくれたのが汐見くん。
彼も同じ高校を受験していた。
そして現在、同じクラスで同じ委員会に入って追いかけている。
一方の汐見くんは、クールでスケジュール通りに行動するのを好む男子。
真っ直ぐに好意を寄せる松下さんにペースを乱されがちで、少々迷惑そう。
でも汐見くんは面倒見はいい。
本当に必要なときは何をおいても助けてくれる。
性格がイケメンだよね。
甘党くんと恋の味
篠宮さんは実家が和菓子屋であることを秘密にしている。
中学生の時に好きな男の子に和菓子をあげた際に、ばーちゃんみたいと言われたことがトラウマになっていた。
学校が終わると、友達にはバイトということにして家の手伝いをしている。
そんなある日、店番をしていた篠宮さんの前に立ったのは同級生の安藤くん。
彼は和菓子が大好きだった。
店のことを秘密にする代わりに、昼休みに一緒に和菓子を食べることになる。
普段は無愛想っぽい安藤くんも、和菓子のことを語りだすと止まらない。
特に好きなのはいちご大福なのかな?
和菓子を前にすると話しやすくなる安藤くんに魅力を感じるのは篠宮さんだけではないようで。
この回はおまけまんがで二人の友達が登場してるエピソードがほっこりしてていいな。
君とシールを集めたい
コバヤシパンのシールを集めてもらえる、ねじうさちゃんバッグのために、木南さんのお昼はパンが続いている。
でも期限までに集めるのは難しそう。
いつも通うコンビニには、同じクラスの中原くんがバイトをしていて、理由を知ると一緒に集めてくれることになった。
もらうだけだと申し訳ないと苦手な教科のノートを貸すことを交換条件にして。
木南さんはとても律儀な性格。
中原くんが親しくしてくれるのは、シールを集める間だけだと思っていた。
そのことを知った中原くんは驚いていたけど。
「来年もまた話せる?」って聞かれたらそりゃびっくりするよね。
だってクラスメートだし。
あとがき
これはTwitterで流れてきたのを表紙が気になって買ったもの。
初の単行本らしい。
もう少し長めのものも読んでみたいね。
関連記事
・「僕と君の大切な話」(ろびこ)ツンデレ男子とストーカー女子の会話劇にニヤニヤが止まらない
・「地球のおわりは恋のはじまり」(タアモ)超ネガティブ女子が恋をしたら