「舟を編む」は三浦しをんの小説を原作としたTVアニメ。
2013年には実写映画化され、日本アカデミー賞最優秀作品賞他、高い評価を得た。
2016年10月よりノイタミナでアニメ放送を開始。
より長い時間を使って、どのように描いていくのか楽しみである。
茫漠とした、言葉の海。
海を渡るすべを持たない僕たちは、そこでただ、佇む。
誰かに届けたい想いを、言葉を、胸の奥底にしまったまま。
辞書とは、その海を渡る、一艘の舟だ。
あらすじ
伝わらない言葉。伝えられない想い。
これは、そんな不器用な人間達の物語である。
(TVアニメ「舟を編む」公式サイトより)
玄武書房辞書編集部の荒木公平は、間もなく定年を迎えようとしている。
入社以来、辞書一筋であったが、近頃は妻の具合があまりよくない事もあり、定年後は側に付いていてやろうと決めていた。
そのため、後の仕事を任せられる後継者としての人材が必要だった。
辞書編集部には、ベテランの事務員佐々木と、若手社員の西岡がいる。
西岡が外出先で出会ったという、変わり者の営業担当の話を聞いた荒木は、営業部に会いに出向く。
予告編動画

「舟を編む」 第3弾PV - YouTube
新しい辞書「大渡海」
辞書編集部では、新しい辞書「大渡海」(だいとかい)の編集作業が始まっていた。
辞書の編纂は10年以上の長い時間をかける気の遠くなるような作業だ。
「気長で細かい作業を厭わず、言葉に耽溺し、しかし溺れきらず、広い視野をも併せ持つ」
そんな人材が辞書づくりには必要。
監修の松本教授と荒木は、これまでいくつもの辞書を作ってきた。
神田の蕎麦屋で話をする荒木と松本教授。
荒木は職業柄メモ魔である。
気になった言葉はすぐにその場でメモを取る。
初めて馬締に会ったときも、「名字の由来を聞かれたことは何度もありますが、書き留められたのは初めてです。」と言われていた。
言葉に対する嗅覚というのか感性を表現する映像として、文字が浮き上がるという演出が見られる。
壁のポスター、ホワイトボード、資料の背表紙など、あらゆる文字が浮かび上がってくる。
この映像がきれいだった。
その目は、馬締の適正をひと目で見抜いた。
馬締光也、第一営業部入社3年目。
コミュニケーションの能力は高くなく、営業のセンスもないが、本好きで言葉へのこだわりは強い。
地味な作業を必要とする辞書編集部にうってつけな人物であった。
ここまで、映画版を強く意識したつくりになっているが、馬締の挙動不審さや西岡のチャラさは抑えめになっている。
馬締の言葉についての説明を聞いている時の西岡の表情の変化がいいな。
西岡はなかなかのしっかり者だが、辞書に対する情熱はあまりない。
これから馬締と過ごすことで変わっていくんだろう。
馬締の住む早雲荘は、他に住人もおらず、大家さんが親代わりみたいなものだ。
晩御飯にさそわれたときの様子。
コロッケの衣や米粒の書き込みが細かい。
ご飯と味噌汁、煮物に漬物冷奴。美味しそうな食卓。
1話放送時に、三省堂国語辞典の編集委員の方が実況解説をしていた。
アニメ「#舟を編む」では観覧車が重要なモチーフのようですね。いくつものゴンドラが、ゆっくり位置を変えているようでも、実は同じ所を回っている。ことばもまた同じ。私は、ことばは気象衛星で見る雲のようなものだと思います。絶えず位置を変えているようでも、全体としては、昔も今も雲なのです。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2016年10月13日
”気象衛星で見る雲”
観覧車は、オープニングや教授の本棚などでも登場している。
今回スカウトされた馬締が、次回から編集部に入るのかな。
作業の様子も詳しく描かれるといいね。
ちなみにプライムビデオ対応作品である。
出演:櫻井孝宏 / 神谷浩史 / 金尾哲夫 / 坂本真綾
監督:石井裕也
出演:松田龍平 / オダギリジョー / 小林薫 / 宮崎あおい
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