「魔王城でおやすみ」は熊之股鍵次(くまのまた かぎじ)による漫画作品。
週刊少年サンデーで連載している。
魔王の城に閉じ込められた人間の姫が、安眠を求めて城内を駆け巡る。
安眠する方法を探すため、囚われの姫が魔王城で好き勝手!
新感覚、睡眠ファンタジーコメディー!!
あらすじ
かつてこの世界には人と魔物が同時に存在していた。
人々は魔物の脅威に晒されながらも、剣と魔法の力で対抗し、人類統一国家カイミーンが誕生する。
ところが、ある日地の底より現れた魔王が、姫をさらってしまった。
返してほしければこの世の支配をすべて魔物の手に委ねよと。
そして勇者は立ち上がる。
どんなに困難な道であろうとも、スヤリス姫の苦しみに比べたら…
姫は悩んでいた。
スヤリス姫の苦悩
魔物たちに捕らえられたスヤリス姫。
魔王城の牢に入れられてはいるが、人質であるため魔王も手を出してこない。
心配される食事も意外と美味である。
そして王国にいるときのような公務もない。
姫が自分でできることと言えば、もはや寝ることくらいだ。
それでも城へ来てからというもの、安眠できた試しはない。
なぜか。
枕大事。
唯一の楽しみである睡眠の質を守るため、姫も立ち上がる。
まずは基本の寝具から。
しかし牢内にはめぼしい材料はない。
となれば魔王城の内部を探索するのが近道。
質が悪いなら、自分で作ればいいじゃない。
食事係の魔物を手懐け、牢の出入りの自由を確保した姫は、魔王城の探索を開始する。
この物語は、スヤリス姫の睡眠の快適さへの飽くなき探究と、それを見守る魔物たちとのあたたかな交流を描いている。
シーツによさそうな、ふわふわの布を発見した姫。
追いかけてみると、正体は魔物のおばけふろしきだった。
躊躇なし!
安眠のためなら手段は選ばない。
時には城の壁をよじ登り、マグマの海にも飛び込み、ドラゴンの雷撃にも立ち向かう気概を見せる。
この不敵な笑みを浮かべる姫は、さながら魔王のよう。
人間の勇者がこの城にたどり着く頃にはどうなっているのか。
魔王すら従えたラスボスと化しているかもしれない雰囲気でもあるが、姫の願いはただ一つ。
荒廃した土地の、日の光の差さない魔王城で、ひとときの安らぎを。
この寝顔である。
この瞬間のためならば、いかなる苦労も無駄ではない。
あとがき
スヤリス姫の容赦のなさよ。
寝る時以外は基本無表情なのにかわいい。
おまけページによると、姫の本名はオーロラ・栖夜・リース・カイミーンというらしい。
1巻最終話でついに城の外への脱出に成功した姫、次巻ではより行動範囲を広げてくるのか。
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