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「恋情デスペラード」(アントンシク)トキメキ求めて荒野を渡る、純情乙女のスチームパンク・ラブコメ 

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「恋情デスペラード」(1)アントンシク (ゲッサン少年サンデーコミックス)

「恋情デスペラード」はアントンシクによる漫画作品。

この世のどこかにいるという、貴方に出会うその日まで。

女一匹旅ガラス、大荒野を今日もゆく。

「ガゴゼ」「リンドバーグ」の超絶技巧作家・アントンシクが描く
サムライウェスタンアクションNO.1!

西部劇を思わせる砂漠が広がる世界で、街から街へと旅を続ける女風来坊。

人呼んで「刃雷のお紋」。

女一匹旅ガラス 

銃が普及し、旅人も護身用に持ち歩く世に、時代遅れの長ドス一本。

荒野を一人、徒歩での旅を続ける女渡世人、紋子。

砂漠で地鰐から子供を助けた縁で、い駒組に草鞋を脱ぐことになった。 

「恋情デスペラード」(アントンシク)紋子、一宿一飯の御恩返させて頂きやす

紋子が旅を続けているのは、日本一の夫を探すためである。

街にはびこる無法者ばかりではなく、道中には獣や怪物も出る。

そんな危険を犯してまで追い求めるのは、その過去に理由があった。

修羅道に生まれ落ちた彼女を、はじめて人らしくしてくれたのが恋情(こいごころ)だという。

それを教えてくれた相手は、木枯し紋次郎を思わせる旅姿のシルエットであった。

銃を手にしていた子供時代の紋子が、刀に持ち替えこだわるのは彼?の影響であるだろう。

あのときと同じトキメキをもう一度感じるために、そして真に人になるために、どんな危険も厭わない。

そして邪魔するやつはブッた斬る!

「恋情デスペラード」(アントンシク)いけ面に弱き候

ちなみに紋子は、いけ面に弱くて惚れっぽい。乙女だ。

行く先々で相手に惚れてしまい、旅を終わりにしかけるも、なかなかうまくはいかない。

見た目が重視なのは本人も自覚している未熟な点だが、そのトキメキが彼女の原動力であり、人としての証なのだ。

それさえあれば、たとえ死の淵からでも蘇る。

「恋情デスペラード」(アントンシク)失くした右手でよござんした

秘密兵器はこの右腕。

火薬の力で、文字通り爆発的な威力を発揮する。 

この右腕をつけることになった経緯と、紋章入りのお守りに生い立ちの秘密があるようだ。

女一匹旅ガラス、刃雷のお紋、大荒野を今日もゆく。

あとがき 

本作の前にも読み切りで「幕末ウェスタンDJINGO」 という作品を掲載しているのでネタ的には好きなのかもしれない。

アクションシーンの迫力も見所だが、個人的には刀の柄がきれいに描かれているのが気に入っている。

 

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