「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
御降家をめぐる争いは、帝都に舞台を移すことになりそうだ。
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はひょんな事から大正時代に漂流。陰陽師の摩緒(まお)と出会う。同じ「猫鬼の呪い」にかかる摩緒は寿命を操る秘法を受け継ぐ生贄らしく5人の兄弟子から狙われている。その闘いで傷ついた彼は菜花から血を貰い元気に。それを知る猫鬼は菜花と接触。危機を感じた摩緒だが新事件も発生し…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)44話 ―すれ違い―」より)
束の間の平和な時間
菜花の前に猫鬼が現れてから、思いの外平和な日々が続いている。
摩緒への刺客もあれ以来姿を見せないが、蠱毒の件を考えると当分は何事もなく過ぎてくれた方が都合はいい。
近所でうどん屋を始めた百火は、様子見がてら度々訪れているようだ。

むしろすでに我が家のような寛ぎ様である。
摩緒が留守の間に何かあった場合には駆けつけてくれそうなので、これはこれでいい傾向かもしれない。
御降家を名乗る者たちが帝都へ乗り込むことも仄めかされていたし、これから忙しくなるだろう。
京での彼らの手口といい、帝都での刺客の行動といい、住人を巻き込んでくるところが厄介なのだ。
華紋は中途半端な延命の術と言っていたけれど、死者を生きていると思い込ませ日常を送らせる催眠系の術としては、強力なものなのではないだろうか。
いつの間にか手の届く範囲に溶け込んでいたとしても不思議はない。

そして、不知火の元にいた謎の女性は何者なのか。
摩緒に対して執着している様子もうかがえるが、以前に面識があったのかどうか。
憎悪というよりは恋慕のような…
この辺は紙一重なのかな?

季節は冬で、摩緒と菜花が出会って半年ほどが経っている。
異性として意識し始めているような描写もあったりするけれど、大事には思いあっているようで微笑ましい。
束の間の平穏な時間だろうか。
単行本4巻は2020年5月18日発売予定。