「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
38話は、退魔の槍に貫かれた摩緒に異変が…
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はひょんな事から大正時代に漂流。陰陽師の摩緒(まお)と出会う。同じ猫鬼の呪いにかかる摩緒は寿命を操る秘法を受け継ぐ生贄らしく5人の兄弟子から狙われているようだ。そんな中、猫鬼に効く槍で胸を貫かれた摩緒。さらに回復薬の蠱毒の壺も割れ…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)38話 ―血の交わり―」より)
割れた蠱毒の壺と摩緒の遺言
退魔の槍を持つ式神との戦いで負傷した摩緒。
親子を庇うためとは言え、まともに体を貫かれた傷はたとえ妖でも致命傷になりかねない深手だった。
頼みの蠱毒の壺は敵の攻撃により割れ、中身がこぼれてしまっている。

敵が壺を盗ませたのも、死なない程度に弱らせて連れて行こうとしたのだろうと思われるが、こうなるとそれも難しい。
仮に蠱毒が無事だったとしてなんとかなるレベルのものなのかどうか。
最後を覚悟した摩緒は、その後の処置を乙弥に託すのである。
それは主に猫鬼対策なのだが、新たな器に乗り移るには摩緒と一体化した体を取り戻す必要があるのだという。
つまり現代にいる猫鬼が菜花を襲わないのは、そのことが関係しているのだろう。
摩緒の痕跡を探している最中かもしれない。

関東大震災で攫われた菜花が開放されたのは器としての成長を待つためと思われていたが、別の意味でも時間が必要だったということである。
もし菜花の時代に摩緒が生き延びているなら、何らかの方法で接触を図ろうとするはず。
実際にはどこかで封印されているのだろうか。
見つからなかった場合は再び大正時代に戻ってきて摩緒の寿命が尽きるのを待つ事も考えられる。
むしろそちらの可能性が高いかな。
誕生秘話を知った後だとあまり敵という認識はないけれど、生きているうちに両者の因縁を解決して欲しいところ。

今回は偶然に回復させる方法が見つかったものの、頻繁には使えなさそうだし蠱毒を新たに用意することになるのかも。
となると妖怪退治も再開するのかな。
式神たちの主の拠点らしき建物も登場し、海に浮かぶ怪しげな神社に御降の文字が見える。
御降家を名乗る張本人で間違いなさそうだが…