「さよなら私のクラマー」は新川直司による漫画作品。
月刊少年マガジンで2016年5月より連載を開始した。
46話は、九谷と対峙した恩田に試合の行方が掛かる。
前回はこちら。
最後の攻撃
興蓮館との決勝戦もついにアディショナルタイムに入った。
1点差のまま、ワラビーズ最後の攻撃のチャンスに恩田がゴールに迫る。

(「さよなら私のクラマー」46話より)
彼女の前に立ちはだかるのは、すでに守備の要と言ってもいい九谷である。
ここが勝負の分かれ目になるに違いない。
止められればその場で試合終了、抜ければ同点に持ち込める確率は高いだろう。
日本一になったばかりの勢いのあるチームを相手に、よくぞこれだけの展開に持ち込んだものである。
大会を通しての選手たちの成長に、今後の活躍が楽しみでしょうがない。
その追い風として、ここでジャイアントキリングを達成してもらいたいものだが。

(「さよなら私のクラマー」46話より)
ファウルを覚悟して止めにいった九谷を、得意のルーレットでかわして抜け出す恩田。
そこで意地を見せたのはインハイ組の夏目だった。
主力の2年生トリオの中では感情に流されない冷静な選手。
その彼女が、一発レッドを貰っても、PKを与えてもいいと判断したのである。
そのくらい決定的なチャンスだった。
ここで止められたのはワラビーズにとっては痛い。
こういう所って久乃木にはない部分だと思うんだよね。
鷲巣監督は許さない気がするし。
日本一になってもまだ泥臭さを捨てていない。
そしてここにこそ興蓮館の強さがある。

(「さよなら私のクラマー」46話より)
一瞬見とれてしまった1年生たちに対して、最後までみっともなく悪あがきすることの大切さを示した背中がかっこよかった。
ワラビーズにとってPKって初めてな気がするんだけど、いったいどうなるのか。
これで次回こそ決着するはず。
新川直司 講談社 2020-02-17
累計500万部突破!『四月は君の嘘』の著者・新川直司の最新作は、女子サッカー。埼玉県蕨青南高校、通称「ワラビーズ」と呼ばれる弱小女子サッカー部に集まった個性豊かな少女達。名セリフの数々と、躍動感あふれる試合シーンで綴られる彼女達の物語から目を離せない! 曽志崎の退場を受け、数的不利なワラビーズ。だが、彼女たちは抗い続ける!! 自ら考え、動く新たな策で興蓮館のプレーに風穴を開けられるか!?