「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
33話は、海から現れた者の正体とは。
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はかつて事故に遭った地を通り大正時代へ。そこで出会った陰陽師の摩緒(まお)と同じ蠱毒・猫鬼に呪われている事が発覚。謎解明のため行動を共にする中で、摩緒が秘法の生贄で師匠の娘を殺した容疑がある事を知る。そんな中、式神に襲われた摩緒。罠を仕掛けると謎の巨人がかかり…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)33話 -藻久不―」より)
海からの訪問者
式神を放った主を呼び出す罠に引き寄せられて、海からそれは現れた。
人の姿を形作ってはいるが正体は魚の群れであり、術による遠隔操作なのだろうと思われる。
第一陣の失敗は想定内だったのか、予想よりも素早い対応。
菜花が現代に戻っている間に、摩緒と百火で迎え撃つ必要に迫られるのである。

命を奪うことが目的ではないとすると、なにか聞き出したい情報があるのだと考えられ、またそれによって事件の真相に近づけるかもしれない。
かつての御降家の屋敷に、藻久不(もくず)という下働きの男がいた。
陰陽師に憧れ、術を使えるようになりたいらしかったが、弟子になることは叶わず、家人たちに教えてもらえるよう頼んでいたという。
悪い人間にも見えないが、そこを付けこまれて利用される事態になっても不思議はない。
今こうして生きており、術を使えているのは弟子の誰かが教えたからだろうか。
もしくは彼自身が式神化していたりして。

ではなぜ摩緒に接触を図るのか。
彼の言う「正当な後継者」とはいったい誰のことか。
どうやら人の寿命を操る呪禁道の奥義「泰山府君の秘法」を聞き出すことが目的のようだ。
京で待つその“後継者”の所に摩緒を連れていくつもりなのだろう。
おそらくその相手が五色堂メンバーなのではないかと思われる。
だとすると、失われた秘法を手に入れたら摩緒も始末する流れになりそう。
いずれにしても敵になるのか。
しかしこの男、事件の背景に対して知りすぎている。

藻久不を操っている者こそ黒幕なのかもしれない。
紗那の飼い猫・灰丸を猫鬼にしたのが、その者の差金なのか独断なのかにもよるけれど。
ここまで関係者が生き続けているのを見ると、今さら秘法にこだわる理由にも疑問が出てくるが、彼らがその恩恵を受けているのだとしたら分からなくもない。
不死身とは言え、摩緒たちのピンチに菜花は駆けつけられるのか?
百火は一度息絶えてから復活するタイプだけど摩緒の場合はどうなのか気になる。
次週は休載とのこと。