「きみが死ぬまで恋をしたい」はあおのなちによる漫画作品。
コミック百合姫で2018年8月より連載を開始した。
12話は、職員室に呼び出されたセイランとミミの二人が告げられたもの。
前回はこちら。
セイランの実力試験
担任のオミ先生に職員室に呼び出されたセイランとミミ。
普段から一緒に過ごすことが多いものの、二人だけの組み合わせは珍しい。
それもわざわざ人払いして伝えられることとは何だろうか。

この学校では最上級の17クラスの生徒を中心に出撃することになっているが、その前に戦闘に付いていけるかどうか試験をするらしいのである。
模擬戦のような実技の授業もあるので、下級生を召集する場合に限るのかもしれない。
実力が足りないまま出撃して足を引っ張ってしまうことを防ぐためと、改めて覚悟を決める機会を与えているのだと考えられる。
今回のセイランの対戦相手は、特別にミミが務めることになった。
実際に上級生の都合が付かなかったのかはわからない。
先生のことだから多分わざとなのだろうけれど、最上級生が他のクラスよりも人数が少いのは事実である。
戦況が逼迫している可能性だってないとも言えない。

14クラスでの試験は早いくらいのようだが、セイランは真面目で優秀な生徒であり、人一倍学校への恩義を感じている。
彼女自身も出撃できる日を待ち望んでいた。
戦争孤児として一人死んでいたかも知れないところを助けられ、学ぶ機会を与えられて、かけがえのない相手にも出会えたのである。
だからこそ大事にして欲しいのだけれど、その意志は固いだろう。
ルームメイトのアリにだって止められるものではない。

試験前の彼女たちの過ごし方は対照的である。
普段と変わらないように見えるミミも、友達と戦わなければならないことを気にしているのだろうか。
シーナへの甘え方がより強いような気がした。
いつもどおりだと言われればそれまでだけれど。

飽くまで実力を測るための試験なので、大きな事故がないように終えてくれればいい。
シーナの祈るように、二人ともひどいケガをしないで終わることを願いたい。
アリの笑顔の中にどれだけの思いが詰まっているのか。
今月号で、次回からの移籍が発表された。
13話は2020年1月、ゆりひめ@ピクシブへ掲載される予定とのこと。
1巻発売から半年で何度も重版しているし、売り上げ的なものではなくWebの方が連載ペースの融通が利くからなのではないかと予想している。