「赫のグリモア」はA-10(エーテン)による漫画作品。
別冊少年マガジンで2018年9月より連載を開始した。
13話は、仙波団長たちの襲撃を退けたものの、若葉に異変が見られ…
大麦若葉は「魔獣」あかずきんと契約し、「書の魔導士」の使命を曾祖母・茜から引き継ぐ。魔導士の組織『機構』(ゲゼルシャフト)に加入し、魔導士を襲う組織『兄弟団』(フラタニティ)と戦う事を決意した若葉。が、その矢先『兄弟団』団長と戦闘になり破るも――。
(前回までのあらすじ:「別冊少年マガジン 2019年10月号」より)
前回はこちら。
若葉療養中
任務を終え本部に帰還した『機構』のメンバーたち。
仙波団長を相手によく戦ったと言えるだろう。
ナイン・シスターズの力を使いきった星河美冬も身動きができなくなるほどであったが、若葉の消耗が思いの外大きかった。
あの絶望的な状況で全員生き残ることができたのは彼女の機転があってのもので、その代わりに負担も相当なものだったらしい。

持てる魔力を完全に使い切ってしまえば命に関わることもあるようで、それを理由に星河からの魔力譲渡を断っていたくらいである。
その若葉が窮地に立たされた。
医療班もお手上げで、自然な回復を待つしかないはずだったが…
大先輩として修羅場をくぐり抜けてきた曾祖母もかつて経験したことのようだ。
終わってみればこれまでで一番のほっこり回だった。

回復を喜ぶ三人の表情に性格が現れているのがいいよね。
仙波団長との戦いにおいて、早々に退場したあかずきんは責任を感じていた。
不意を突かれたとは言え若葉を危険にさらしてしまったし、星河が駆けつけなければ全滅していたかもしれない。
実際には団長の強さは最強と呼ばれるあかずきんを戦慄させるほどで、最初から戦ったとしても勝てるかどうかはあやしいのだが、それでも手の届かないところで終わらせられるよりはましだろう。

その反省として「次からは必ず横に居てやるよ」の言葉を口にしたときの照れ顔が今回最大の見所。
まさかあかずきんの「あーん」が見られるとは思わなかった。
いやそうな顔をしつつも何だかんだ面倒見のいいところがあるよね。
そしてそれは若葉の生涯にわたってのパートナーとしての宣言なわけなのである。
『兄弟団』にやられてる場合じゃないぞと。
敵の構成員もお披露目されたけど、とりあえず団長が一番まともそうなキャラに思えるのがおそろしい。

元『機構』の人員が他にもいる可能性は高いが、あの中に? という気持ちである。
あと星河管理官のオフィスでくつろぐ姿がけっこう好きだな。