「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
16話は、ノミの妖を教会で迎え撃つ摩緒。
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はかつて事故に遭った地を通り大正時代へと迷い込む。そこで出会った陰陽師・摩緒(まお)による菜花=「妖」説の謎を解くために彼と行動する事に。摩緒が追う猫鬼(びょうき)の居所(?)を守る妖を倒すため協力する菜花だが…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)16話 ―水の顎―」より)
前回はこちら。
教会で迎え撃つ摩緒
摩緒の血を狙うノミの妖を菜花が引きつけている間に、教会ではそれらを退治するための準備が行われていた。
建物の下にある要石が猫鬼の眠る場所であるならば、同時に破る方法も考えているはず。

菜花が到着した頃はすでに辺りは暗くなっていて、舞台は整っているようである。
その体力には恐れ入るが、今回の彼女の貢献度は大きいだろう。
「血の毒」が効かない妖にどう対処するのか、摩緒でも手を焼く相手に長時間乗り切ったのであるから。
彼がここで用意していたものは、その点を克服するためのものだった。

陰陽五行で火の属性を持つ敵に対し、水の霊獣・玄武を呼び出す摩緒。
以前の鐘臨教事件の時の魔神の使役の件といい、陰陽師として相当の実力を持っているのは間違いない。
猫鬼が依り代として体を欲しがったのもそのためだろう。
それでも900年、仇と狙う猫鬼を倒せずに来た。
実際には、猫鬼が乗り移った人間や獣たちを倒してきたのかも知れない。
長く生きた体が限界を迎える前に、今度こそ決着を付けたいところなのである。

ちなみに猫も火属性らしいので、玄武を使ったのはそのためなのだろう。
ノミの妖相手には大物すぎるが、封印が解けた猫鬼が相手なら納得である。
それはそうと、要石の下に眠ることになった理由はなんなのか。
猫鬼のような強力な妖を封印する術者の存在も気になる。
掲載号では、単行本発売直前のスペシャル企画として、作者が愛読しているという「ゴールデンカムイ」(週刊ヤングジャンプ掲載)の野田サトル氏とのスペシャル対談が実現した。
9月18日にはついに1巻が発売。