「小さいノゾミと大きなユメ」は浜弓場双(はまゆみば そう)による漫画作品。
月刊モーニング・ツーで2019年5月より連載を開始した。
隠れ住んでいた家で、住人に見つかってしまったノゾミの運命は…?
前回はこちら。
目を覚ますと身長12センチの体になっていた女子高生・小岩望実が命からがらたどり着いたのは、ひきこもニートの大久保由芽が住むアパートの一室。散らばるゴミの山を隠れ蓑に部屋で暮らし始めて1週間、ついにユメに見つかってしまったノゾミは「私は酔っ払ったアンタの妄想」と宣言してしまい……!?
(「前回までのあらすじ:小さいノゾミと大きなユメ」より)
ノゾミとユメの利害が一致
小さくなった体でなんとか生活環境を整えてきたノゾミも、ついに家主のユメに存在を認識されてしまった。
それも害虫としてではなく、ちゃんと女子高生の姿がバレてしまっているようなのである。
しかしそこはユメの性格か酔いの効果か、実体があるとは思われていないらしい。

体長12センチであるので無理もない。
たとえ素面だったとしてもさすがに難しいだろうとは思うのだ。
そこで妥協点となったのが、ユメが寂しさのあまりに脳内で作り出した幻であるという設定。
意外とすんなり受け入れるもので、引きこもり生活を送っていた彼女がいかに話し相手を欲していたかが窺える。

ただしカワイイかどうかという点には引っかかるようである。
それでもまずは対話が可能になったことが大きい。
これまでのように隠れて暮らす日常も緩和されるだろうし、食事もまともなものが提供されるかもしれない。
ユメの話し相手となり、引きこもり生活脱出の手伝いをすることで自らのQOLをも向上させようというWin-Winの関係である。
できれば酔っている時以外でも関われるようになるとノゾミの負担は少なくなるだろう。

そのへんはサバイバル感が減ってしまうので追々でいいかな。
そもそも引きこもりの原因は何だったのか。
会社での対人関係とかだろうか。
現在、物資をネット通販に頼っているにも関わらず、荷物を直接受け取ることができていないほど人と会うのは苦手のようだ。
とりあえずはそこからなんとかしてみることに。
比較的印象がよくて、対面時間が短く、だいたい同じ人が来る宅配は対人リハビリには最適かもしれない。
最初の一歩目さえ踏み出せればハードルは低いはずだけど、どうしてもだめな時は宅配ボックスという手もあるしね。

利害が一致して協力体制が組まれたものの、ノゾミはけっこうスパルタなのかも。
なかなか自分から動く勇気が出ないユメにとって引きこもり脱出のきっかけとなるか。