「赫のグリモア」はA-10(エーテン)による漫画作品。
別冊少年マガジンで2018年9月より連載を開始した。
11話は、『兄弟団』団長の魔獣の作り出した閉鎖空間に巻き込まれた若葉たちだったが…
大麦若葉は「魔獣」赤ずきんと契約し、「書の魔導士」の使命を曾祖母・茜から引き継ぐ。魔導士の組織『機構』(ゲゼルシャフト)に加入し、魔導士を襲う組織『兄弟団』(フラタニティ)と戦う事を決意した若葉。しかしその矢先に『兄弟団』団長が目の前に現れ…
(前回までのあらすじ:「別冊少年マガジン 2019年8月号」より)
前回はこちら。
団長 vs. 若葉・乃恵瑠
仙庭と星河の戦いの間に回復した、魔獣ヨルムンガンドの閉鎖空間に閉じ込められた若葉たち。
応援に駆けつけた神田辺隊のメンバーからも隔離された。
魔力を使い切った星河の代わりに戦えるのは、見習い魔導士の二人のみ。
絶体絶命のピンチである。

ここで目を引くのはヨル君の姿なのだが、性別不詳もしくは存在しないということだろうか。
実は女の子、または男の娘だとしてもそれはそれでありなのだけれど。
ただ三人称に困るので、ここではヨル君と呼ぶことにする。
その戦闘能力は不明ながら、異空間への転移門を作り出すことができるようだ。
同じ世界線だとは思うが、宇宙空間にも作れるとすれば厄介だ。
果たしてあかずきんはどこへ飛ばされたのか。

魔獣のいない状態で団長と戦うには若葉も乃恵瑠も明らかに力不足である。
そんな彼女たちに最後の魔力を託そうとする先輩の姿。
しかし、受け取ると彼女の命に関わってしまうらしい。
ここから絶望的に不利な状況を覆せるものとは何か。

到底叶わなそうな相手に対し、若い二人が見せる勇気と機転が素晴らしかった。
一歩間違えば死の危険があるのが、ただやられるのを待つよりは自ら仕掛けることを選ぶのである。
そうは言ってもほぼデビュー戦の彼女たちは足がすくんでも仕方がないところ。
そこを乗り越えて起死回生の一手を放てるのか。
気になるのは、団長の「君は本来、我々と行動を共にするべき人間だ」の一言。
これは何を意味するのだろう。
今月は単行本2巻も発売された。
表紙は竜胆雫が目印。