「赫のグリモア」はA-10(エーテン)による漫画作品。
別冊少年マガジンで2018年9月より連載を開始した。
任務を終えた若葉たちの前に、見知らぬ訪問者が現れる。
大麦若葉は「魔獣」赤ずきんと契約し、「書の魔導士」の使命を曾祖母・茜から引き継ぐ。魔導士の組織『機構』(ゲゼルシャフト)に加入し、魔導士を襲う組織『兄弟団』(フラタニティ)と戦う事を決意した若葉。しかしその矢先に『兄弟団』団長が目の前に現れ…
(前回までのあらすじ:「別冊少年マガジン 2019年7月号」より)
前回はこちら。
星河美冬 vs. 仙庭玄機
実戦訓練を終えた若葉たちの前に現れたのは仙庭玄機(せんば くろき)、『兄弟団』の団長を名乗る男であった。
あかずきんを排除し若葉を勧誘しようとする彼は、以前は『機構』に所属する魔導士だったという。
顔に残る傷が組織を去る原因となった出来事と関係があるのだろうか。

若葉たちの先輩である星河美冬とは旧知の仲のようだが、その攻撃に容赦はない。
今回は、このかつて仲間だった二人の戦いが描かれる。
星河管理官も実際に戦う場面が登場するのは初めてなので、どれだけの実力を秘めているのか楽しみな所だ。
お互いに手の内を知っているだけに小細工無しで最初から全開の戦闘となった。
彼女が若葉たちに掛けた「気取られれば殺されるわよ」の言葉が気になるのだけれど、団長は視力が弱いのだろうか。
単に邪魔すれば殺すくらいの意味か。
少し前にも彼女たちの立ち位置を誤認させるような言い方を選んでいるのでこの点が引っかかった。

勧誘に来ておいてその相手を殺すのかというと、やりかねない人物なのだろうね。
彼の前では人間の命など軽そうだ。
新人魔導士を餌に組織の実力者を屠れるならむしろ効率的とも言える。
ただ直接乗り込んでくるあたり、若葉の存在は彼にとって興味を引いたのだろう。

『機構』を去ることになった理由と思われる因縁も示唆された。
彼らが失った「彼女」とは、人か魔獣かそれとも別の何かか。
人類史を終わらせた後に待っているものとは?
最初の魔女のおとぎ話に関わる問題になってくるのだろうか。
今回の戦いが1対1での殺し合いであったなら五分五分に持ち込めたのかもしれないが、後輩を守りながらの逮捕を目指すのは厳しそうだ。
肉体強化系の星河に対し、生身で渡り合っている団長が化物じみている。
あるいは彼も強化系の手段を持っているとかかな。
向こうの組織には複数契約の例もあるし。
団長の魔獣と神田辺隊の参戦で戦況がどう変わるのか。

ヨル君と呼ばれていた側近の子も相当な力を持ってそうだし、総力戦に持ち込まないとやばいのでは?
単行本2巻は7月9日に発売予定。
5話から9話が収録されるはず。