「さよなら私のクラマー」は新川直司による漫画作品。
月刊少年マガジンで2016年5月より連載を開始した。
37話は、曽志崎の退場で10人になったワラビーズ。打開策はあるのか。
前回はこちら。
深津監督の秘策
高校女子サッカー日本一のチーム興蓮館を相手に、蕨青南の苦戦は続く。
曽志崎の退場で状況はさらに厳しくなっていたが、選手たちはまだ諦めてはいない。

恩田のゴールで空気が変わったのもある。
もともと負けず嫌いなメンバーが集まっているのに加え、ここまで着実に力を付けてきた。
公式戦での負けらしい負けといえば浦和邦成戦くらいのものなのである。
そこからさらに成長した彼女たちは流れを変える地力は持っているはず。

普段からチームを支えてくれている曽志崎に負い目を感じさせないためにも、ここは奮闘したいところだろう。
そして、カツオちゃんに喧嘩を売られた形の深津監督の腕の見せ所である。
強敵相手に一人少ないこの状況で何ができるのか。
とはいえ、手段は選べるほど余裕はない。
チームのストロングポイントを最大限に活かせる方法とは。

答えはシンプルに守りきってのカウンター狙いであった。
興蓮館の守備陣をぶち抜ける力を持つとすれば周防と恩田だろう。
特にトップスピードに乗った周防を止めるのは容易ではない。
以前対戦した久乃木の佃や浦和のチカ先輩は周防を抑えるのがうまかったが、それは彼女に力を出させないことで対処していた。
走らせなければ弱点も多い選手なのだが、いざ走り出したら手がつけられない。

何より、曽志崎の窮地を救うのは周防であってほしいみたいなのはあるよね。
監督の秘策その1は周防を右サイドに持ってきたこと。
代わりに白鳥が左に入ってるけど、これも後々生きてくるのかな?
警戒もされるだろうし何度もは通用しないかもしれないけど、恩田が見せたゴールのおかげで掻き回せる可能性はある。
かつて、久乃木の鷲巣監督が語った「混沌とした局面を打開するのは、結局のところ個の力だ。」 をやろうとしているんだろうね。

ちなみに15番は九谷なんだけど、深津監督にずいぶん評価されているようだ。
彼女は恩田へのリベンジのために出場を志願し、ついにそれを果たしたのだった。
セリフまでお返ししてやりきったうれしそうな表情がいいね。
単行本9巻の発売日は6月17日に決定。
▶さよなら私のクラマー(9) (月刊少年マガジンコミックス)