「君は放課後インソムニア」はオジロマコトによる漫画作品。
週刊ビッグコミックスピリッツで2019年5月より連載を開始した。
眠れない夜に悩む二人が見つけた居心地のいい場所とは。
オジロマコトが贈る “眠れない青春ストーリー”
寝たいのに眠れない、一晩中どうやったって眠れない、この小さな星の部屋が、僕たちの安全圏だった。
秘密の部屋で始まる眠れない二人の思春期――!
(「君は放課後インソムニア」1話より)
天文台に幽霊の噂
九曜高校本館の天文台には幽霊が出るという。
もうずいぶん前に廃部になった、いわくつきの天文部の噂のせいで、行きたがる生徒のいない場所。

文化祭の準備が進む教室で昼寝をしていた中見は、天文台への階段の途中にあるというダンボール調達を依頼されるのだった。
自分の仕事は済ませた後なのでとばっちりなのだが、クラスメイトたちにあまりいい印象を持たれていないことが影響したようだ。
その点は彼にも言い分があって、昼間不機嫌そうに見えるのは不眠症に悩まされているせいなのである。
保健室に入り浸るのは気が進まず、また成績のおかげもあって周りを見下しているように見えたのかもしれない。

今では倉庫代わりになっている天文台に何があるのか、体よく仕事を押し付けられた中見がそこを訪れることから物語は始まっていく。
噂の幽霊の正体は同じクラスの曲伊咲(まがり いさき)。
彼女もまた不眠症に悩まされる生徒の一人であった。
何たる偶然。
適度に散らかった室内と中央にある大きな天体望遠鏡が独特の雰囲気を醸し出していて、人が近付かない静かな場所。
これはもう秘密基地なのである。

そしてそれは彼女が広めた噂で実現していること。
扉絵では更に快適な空間へと変貌を遂げている様子が描かれている。
しかもどこから入ったのか猫まで入り浸っている。
現時点では勝手に入り込んで鍵まで付けている状況なので教師に見つかるとまずいのだが、天文部を復活させるという手もある。
これからどうなっていくのか楽しみだ。
ちなみに、学校のモデルは1話のサブタイトルから推測できるように石川県にある高校らしい。