
「赫のグリモア」はA-10(エーテン)による漫画作品。
別冊少年マガジンで2018年9月より連載を開始した。
新米魔導士、大麦若葉の『機構』での日々がはじまる。
大麦若葉は「魔獣」赤ずきんと死闘の末に契約。彼女は絵を具現化する力で人々を守る「書の魔導士」の使命を曾祖母・茜から引き継ぐ。魔導士の組織『機構』(ゲゼルシャフト)に加入することに決めた若葉。魔導士を襲う『兄弟団』(フラタニティ)が茜を殺したことを知り、若葉は彼らと戦う事を決意した。
(前回までのあらすじ:「別冊少年マガジン 2019年5月号」より)
前回はこちら。
『機構』での日々が始まる
『機構』こと国際歴史管理機構へ加入した大麦若葉は、星河美冬管理官の指導を受けることとなった。
彼女は総帥直属の作戦部の所属で、組織の中でもかなりのエリートである様子。
先日の親指姫事件での策士ぶりからもある程度の権限を持っていることは想像できる。
何より、彼女自身が若葉のことを気に入ったようなのである。

大魔導師と呼ばれる曾祖母・茜から直接魔導書を受け継いだ若葉は新人ながら特殊なポジションにあるため、そのほうが都合もいいのだろう。
そこで改めて魔導士の歴史と組織の成り立ちを学ぶことになるのだ。
最初の魔女に魔筆を授けた存在との約束を守るために、ひいては人類史の存続のために組織の任務はある。
その約束の相手がおとぎ話ではなく、本当に存在するのだとしたら?
この辺が意味深なところ。
実は黒幕だったりラスボス的な何かだったりする可能性もなくはないことは覚えておきたい。

星河管理官によると、若葉たちと機構がはじめて接触したあの日、親指姫まいあとのやり取りを見てすぐにでも欲しいと思っていたらしい。
その言動はナチュラルに機構の理念を体現するものであったのだと。
つまりは全ては演技だったのであるが、このさわやかな笑顔で言われると悪い気はしないね。
すでに魔導書持ちの若葉は、実戦訓練への参加も早かった。
例の腹黒女子・羽生乃恵瑠(はにゅう のえる)ともさっそくのコンビ結成で期待できそう。

そしてこの訓練、どうやら一筋縄ではいかないような雰囲気だ。
ちなみに任務時の戦闘礼服は魔筆で描き出したものらしいけど、若葉のデザインは1話で登場した茜ばあちゃんの若い頃のものとよく似ている。
色違いで少しシンプルにした感じ。
そっちの方も受け継ぐんだね。

新たな場所で希望に満ちている若葉とは対照的に、不穏な人物の影も。
おそらくは『兄弟団』のメンバーなのだろうけど、『機構』の集合絵にいる人物に似ている気もする。
活動を続ける中で何かの秘密を知って絶望したのか、それともただの別人なのか。
潜入作戦の失敗の件も内通者や元関係者がいると考えた方が自然だし、そんな組織に認識されたとなると若葉の周辺も慌ただしくなりそうだ。
単行本も重版が決まったそうなので、紙の方も手に入りやすくなるはず。
2巻はページ数的に次の9話までが収録されるのではないかと思う。
早ければ6月あたりか。