「終電ちゃん」は藤本正二による漫画作品。
各路線の終電の擬人化ということになるだろうか。
終電には、日々を生きる乗客のドラマがある。
中央線の終電ちゃん
東京駅を午前0時20分に出た電車が新宿駅の午前0時41分を経由し、終点の高尾に到着するのは午前1時37分。
中央線の終電は日本で最も遅い時刻を走る。
ラッシュ時には数分間隔で次の電車がやってくる首都圏において、時刻表を意識することなどないが、それでも覚えておく必要があるもの。
終電の時刻。
逃すと家には帰れない。
学生のうちはそれも楽しかったりするものだが、仕事の帰りがいつも終電だというのはあまり楽しいものではない。
終電ちゃんは、みんなが乗れるように手を尽くしてくれる。
酔っぱらいを叩き起こし、遅れているものには声を掛け、文句を言いながらも待っていてくれる。
そして、乗客の名前や過去の出来事を事細かに覚えていて、何かと心配して世話を焼いてくれるのだ。
何このツンデレ。
1巻では中央線の他に、山手線や小田急線の終電ちゃんが登場する。
それぞれのキャラの違いもみどころ。
僕自身はここ数年、終電に乗ることはなくなったが、以前は降りる駅を乗り過ごすことが多かった。
一駅、二駅なら、どうやってうまく帰るかというところに楽しみを見出していたが、必要なのは終電ちゃんの存在だったようだ。