「僕の心のヤバいやつ」は桜井のりおによる漫画作品。
2018年4月よりチャンピオンクロス(現マンガクロス)で連載を開始した。
帯の言葉は「陽キャ美少女×陰キャ少年」「僕は恋を知らない」。
こじらせ系男子の、残念系女子観察コメディ。
学園カースト頂点の美少女・山田杏奈の殺害を妄想してはほくそ笑む、重度の中二病の陰キャ・市川京太郎。だが山田を観察する内に、京太郎が思う「底辺を見下す陽キャ」とは全然違うことに徐々に気づいていき…!? 陰キャ男子・京太郎の初めて恋、始まる。陽キャ美少女×陰キャ少年のニヤニヤ系青春格差ラブコメディ!!
陽キャ美少女×陰キャ少年
中学2年の市川京太郎には、気になる相手がいた。
同じクラスの女子・山田杏奈。
学校一の美少女で、雑誌の専属モデルもやっているという、陽キャの代表とも言うべき存在である。
少々こじらせ気味の彼にとって対極に位置する彼女は、住む世界の違う人間として接点はないはずであった。
妄想の中以外では。

そんな彼女と昼休みの図書室で遭遇してしまったことから二人の関係が変化していく。
底辺である自分たち陰キャを見下していると思っていた彼女の秘密、教室では気付かなかったその姿は意外なものであった。
気さくで天然、どちらかというと残念な親しみやすいキャラで、ツッコミどころには事欠かない女の子。
本作は京太郎による山田観察記録的な日常コメディである。

クラスの中でも目立たず男子グループにも属さない彼は言わばぼっちなのであるが、そのために中立な立場を保っていてキレのいいツッコミを見せてくれる。
ただしそれは心の中だけのことで、直接話すとなるとうまくいかないあたりが陰キャの悲しさ。
気を利かせたつもりのフォローも分かりにくく、自分が誤解されただけに終わってしまうこともしばしばなのだけれど、そういうのを気付いてもらえたときのうれしさと言ったら格別なものなのである。

モテない中学生男子には強烈なカウンターとなる一言。
これは惚れちゃうね。
山田も普段は割とアホな印象なのに別け隔てなく接してくれる優しいところがある。
本人も自覚がないのだろうが親近感も育っていっている節もある。
教室とは違う印象に気付いていくのは彼女も同じなのかもしれない。
まだまだラブコメというほどのことは起きないけれど、この二人の甘酸っぱいやり取りが見たければ1巻を手に入れて2巻発売まで待つべし。
ツッコミと言えば、リアルでは山田の友人小林がその役目。
側にいればいるほどツッコまずにはいられない女、それが山田。
この二人のやり取りは本編ではないけどTwitterで公開されたオットセイかよのツッコミが好き。
うちの山田はな~怒ると怖いんだかんな!? pic.twitter.com/4euZBMmcn1
— 桜井のりお@ロ③僕ヤバ①発売中 (@lovely_pig328) 2018年9月13日