ウルトラジャンプから初の百合アンソロジーが誕生した。
その名も「ユリトラジャンプ」。
2017年と2018年に掲載された読切作品を13作収録。
先日このブログでも紹介した「やりすぎスキンシップ」他、350ページの大容量で読み応えのある1冊となっている。
収録作品:
「近くて遠い」(2C=がろあ) / 「痩せたいさんと失恋ちゃん」(安田剛助、文尾文) / 「読了まであとどのくらい」(たいぼく) / 「私の好きな商店街」(未来電機) / 「かにばるるーむしぇあ」(郷本) / 「暴君プラトニック」(紀ノ上晟一) / 「お兄ちゃんの彼女」(胡原おみ) / 「大樹の都」(びよら) / 「金曜の夜は」(佐喜ハジメ) / 「未織と山神様」(とこみち) / 「やりすぎスキンシップ」(秋月伊槻) / 「ふたりわけ」(おたき) / 「たねラボ manga do it」(林家志弦)、表紙:川井マコト
「痩せたいさんと失恋ちゃん」(安田剛助、文尾文)

管理栄養士を目指す高校生の凛子は、ランニング中に元家庭教師と再会した。
その人は、かつての憧れの人。
久しぶりに会った彼女は一回り大きな姿になっていて、今度は凛子がダイエットの先生をすることに。
以前とは違い頼ってもらえるようになって、今度は恋の相手としても立候補するのか。
連載化も決定し、ウルトラジャンプ 2018年8月号で2話も掲載された。
食べることが大好きな(元)先生と、彼女の食べる姿が好きな凛子なので、食事シーンは期待できるんじゃないかな。
「私の好きな商店街」(未来電機)

文具店の娘の晴と幼馴染の八百屋の娘ひばりは、生まれ育ったこの商店街を気に入っている。
景気はいいとは言えないが、思い出の残る場所を大人になっても残していきたい。
ある日、こっそり買い物をしている同級生をを見つけたのをきっかけに商店街の魅力を再発見していく。
引っ越しの多かったという彼女も一緒に、今度は三人での思い出を作りながらというほのぼの日常もの。
もう少し続きを読んでみたいけどな。
「金曜の夜は」(佐喜ハジメ)

奈央の隣の家に生まれた双子の姉妹は、小さな頃から懐いていて、成長した今でもよく訪ねてくる。
仕事から帰ると当たり前のように部屋でくつろいでいたりするのも日常の光景。
二人は奈央に見ていて欲しくてずっと競ってきた。
その昔彼女が話した好きな人の姿に近付こうとして。
それでいて姉妹仲はよく、二人で分担して理想を体現しつつあるのだった。
そんな彼女たちの週末のひととき。
子供の頃の、ひよこのようについてく所がかわいいのだが、10年くらい経った現在も変わらぬ関係なのが微笑ましい。
「やりすぎスキンシップ」(秋月伊槻)

同級生で同じ水泳部の花村さやかに関して、まほには悩みがある。
それは、彼女のスキンシップが多い気がしていること。
嬉しいことではあるが、自分の感情が漏れてしまわないか心配なのだった。
そんな彼女に、試練の時がやってきた。