
2018年9月に読んだ中で、おすすめの漫画をいくつか紹介する。
今回は注目しているの作品の新刊が多い月だった。
特に「はじめてのひと」は前巻から1年以上の間隔をあけての待望の新刊である。
前回はこちら。
「夏目友人帳」23巻(緑川ゆき)
小さな頃から人ではないものを見ることができる少年・夏目貴志と彼を取り巻く妖たちの日々。
23巻では、的場一門の三春家での護り神のお迎えに、夏目と名取が巻き込まれる「約束の残る家」のエピソードが描かれる。

成り行きではあるが、名取が的場の仕事に協力するのは珍しい。
高校生の頃に出会った二人が、お互い意識しながらもうまく交わることができずにきた。
名取からこういうセリフが出てくるようになるのは感慨深い。
「ひとりでなければ…」
この部分をかつての的場は名取に求めていた気がするんだけどね。
9/29からアニメの「劇場版夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」が公開。
「人形の国」3巻(弐瓶勉)
遺跡層に覆われた巨大な人工天体アポシムズ。
地上の覇権を狙うリベドア帝国に故郷を滅ぼされたエスローたちは、復讐のため旅を続けている。
3巻では、前巻から行動を共にしているケーシャの仲間たちのもとへ向かうことになった。

帝国に首都を奪われた後は、地下に里をつくり反撃の機会を伺っているようだ。
里の入り口で迎えられるシーンが、劇場版「BLAME!」で電基漁師の村に入る場面を思い出す。
彼らとの邂逅が帝国との戦いにどのような影響を及ぼすのか。
また、ケーシャやリベドア皇帝の正体も明らかになる。
「とどのつまりの有頂天」1巻(あらた伊里)
高校の敷地内にある寂れた神社で、新しい部が創設された。
部活が必須なこの学校で、マイナー部の避難所として結成された共同体である。
その名も有頂天部。
個性の強すぎる部員たちと、顧問を務める生徒会役員の猫崎さんとの賑やかな日々を描くハイテンション百合コメディ。

個人的な推しは猫崎さん。
校内でもクールなキャラで知られている彼女は、恋愛が絡むとぽんこつだったりする。
「繭、纏う」1巻(原百合子)
星宮女学園には、新入生へ手作りの制服が贈られるという伝統の行事がある。
それは、このために入学してくる生徒も多いというほど魅力的で、大切に守られてきたものであるようだ。
冬休み明けの、三年生による制服作りが始まろうとする頃、事件が起こる。
渦中にあるのは、学園長の孫娘で「繭の君」と呼ばれる生徒。

1巻では、他の生徒たちの記憶に残る彼女の姿が描かれる。
誰よりも自由で、誰よりも不自由な彼女をめぐり、学園に息づく伝統が揺らいでいく。
「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」1巻(タアモ)
久保田錦には父親に決められた許嫁がいる。
だがその相手は大事な親友の幼なじみで好きな人。
自ら望む未来のため、ひとり東京の高校へ進学することを選ぶのだった。
恋に積極的な彼女と、オレ様ツンデレキャラの敦盛によるラブコメディ。

前途は多難だが、このポジティブさで乗り切っていきそうである。
「とんがり帽子のアトリエ」4巻(白浜鴎)
魔法使いキーフリーの弟子となり、憧れだった世界へと足を踏み出した少女ココの物語。
4巻では、姉弟子たちが人前で魔法を使うための第二の試験へと挑む。
「騎士の忠誠」とも呼ばれるこの試験は、古代遺跡の中を通り抜けようとする渡り鳥・海獣鳥(メルフォン)を、向こうまで無事に送り届ける護衛任務である。

ずっと心待ちにしていたアガットだけでなく、もともと嫌がっていたリチェもこの試験を通して大きく変わりつつあるようだ。
だが、師の管理下から外れる機会を「つばあり帽」が逃すはずもない。
「五等分の花嫁」6巻(春場ねぎ)
学年一位の秀才が、家庭教師として教えることになった相手は、同級生の五つ子たち。
6巻は、家出中だった二乃と五月も戻り、姉妹の絆を再確認することができた。
そして、フータローが辞意を表明する。

最終回も近いのかな、と感じさせつつ新たな難題は五つ子の父親という展開になりそう。
祝アニメ化!
「ふしぎの国の有栖川さん」6巻(オザキアキラ)
過保護な祖父に育てられた箱入り娘の有栖川さんと、天然王子な野宮くんとの恋物語。
有栖川さんたちも2年生になり、誕生日を迎えた。
表紙はおそらく友人たちからのプレゼントでおめかしした姿。

今回、野宮家訪問で弟の晴人が登場し、憧れだったという「おねえさん」体験もすることができた。
さすが血縁者というか、弟くんのほうが王子成分多めかもしれない。
「はじめてのひと」3巻(谷川史子)
博物館で働く田中久緒から繋がる人々の、それぞれにとってのはじめてを描く群像劇。
今回は、彼女の後輩である絵画修復士の橘与(たちばな くみ)の恋が区切りを迎える。
ライブで知り合ったチェリストの諏訪内に惹かれていく彼女は、相手が妻帯者であることを知ってしまうのだが…

幸せな結末は望めない恋の終わりを、どう見せてくれるのか楽しみだった。
引用画像は親代わりとも言える大家さんとの再会のシーン。
この姉妹のエピソードもいずれあるのかな?
表紙は昨年限定配信された30周年特別号で使われて気に入っていたので、また見れてうれしい。
「愚かな天使は悪魔と踊る」5巻(アズマサワヨシ)
天界に押され気味の魔族たちの士気を高めるため、魔界のアイドルとなる人材を探しに来た阿久津雅虎。
人間界でスカウトした相手は、本物の天使であった。
5巻は、風邪をひいた天音リリーに代わって、彼女の “素体” が学校にやってきた。
姉のリーリヤと名乗り一緒に授業を受けることになるが…

前回、何者かに操られ二人を襲撃してきた彼女だが、普段は主人思いで言葉も話せるようだ。
そして、百合の素養もあるらしい。
天使側の裏事情も少しずつ見えてきて、そろそろ物語が動き出しそうだ。
「やがて君になる」6巻(仲谷鳰)
誰かを特別に思うとはどういうこと?
亡くなった姉の姿を追う七海燈子と生徒会のメンバーは、ついに文化祭の日を迎える。
姉が出来なかったことを成し遂げたら、その後に何が残るのか。
今回はタイトルの意味にもつながる重要な巻となる。

ここはアドリブなんだろうけど、不意打ちへの反応がかわいい。
以降の侑の言葉は、劇のセリフでもあり彼女の本音でもあるはず。
その思いは七海先輩へ届くのか。