
「とんがり帽子のアトリエ」は白浜鴎による漫画作品。
月刊モーニング・ツーで2016年7月より連載を開始した。
24話はロモノーン人に囲まれたキーフリーと弟子たちのエピソード。
前回はこちら。
魔法使いを目指すことになったココは、キーフリーに弟子入りする。ある日、同じ弟子であるアガット達が「第2の試験」を受けることに。だが、試験中に「つばあり帽」に襲われ、試験官のアライラとはぐれてしまい、ユイニィは禁止魔法で身体を獣に変えられてしまう―。一方、付き添いのココ達も襲撃を受け、洞窟の底に落ちてしまう。そこには、かつて身体を金細工に変えられてしまったロモノーン人が待ち構えていた。
(「前回までのあらすじ:とんがり帽子のアトリエ」より)
魔法使いの信念とロモノーン人たちの思い
蛇の背洞窟の底へと落下したキーフリー、ココ、テティアの三人は、金細工にされたロモノーン人に囲まれていた。
古い時代に存在したロモノーン洞国において、魔法の力で姿を変えられた者たちである。
彼らは何千年もの時が経った現在でも眠りにつくことなく苦しんでいるようだ。
魔法使いへの憎しみを持ち続けたまま。

今回、怪我を負っているキーフリーやトラウマの残るココに代わって活躍するのはテティア。
彼女は、戦うのでもなく逃げるのでもなく対話することを選ぶのだ。
金細工に変えられようとも彼らも元は普通の人、彼女の目指す「ありがとうが生まれる魔法・人を笑顔にする魔法」の対象である。
そのことを思い出し立ち上がる姿はかっこよかった。

結託の日からの世界の歩み、そして魔法に対する彼女の思いは彼らに伝わるだろうか。
その言葉が真実かどうかを見極めるため、条件としてロモノーン人達から一つの問いが出される。
「外の世界に満ちるもの、あまねく全てが求めるもの、ここでは誰しもが持たぬもの、我らに与えられぬものは何だ?」

なぞなぞとは言っても、答えを間違えば憎むべき魔法使いとしての処刑が待っている。
命懸けだ。
だが、魔法の効果の薄い彼らとの消耗戦を回避できたのはお手柄である。
金細工に姿を変えられ、死ぬことも眠ることも叶わない彼らが願うことは何か。

キーフリーのもとで、魔法が人を幸せにするものだと信じている彼女たちなら答えにたどり着けるだろう。
ココにとっては魔法を学ぶ理由ともなった出来事ともつながりがある。
母親に掛けられた石化の魔法と同様の肉体変化の禁止魔法を前にして、今の彼女に解く術はないが、それでもできることはあるかもしれない。
あとがき
次回は、ユイニィの後を追ったアガットの話になりそう。
同日発売の4巻はオリジナルの鉛筆&ぬり絵付きの「とんがり帽子のアトリエ(4)限定版 (講談社キャラクターズライツ)」も選べるようになっている。
収録は18話から23話まで。