「恋の撮り方」はたなかのかによる漫画作品。
月刊コミック電撃大王で2017年5月より連載を開始した。
帯の言葉は、「ファインダーを覗けば、いつだって先輩がいる。そう、いつだって。」
「恋をするとカメラにはいつも、恋をしてる人の姿が写るんだ」
何があっても笑わないと囁かれている写真部部長の佐々木つぐみ。
新入生の河島まもるは、彼女の笑顔を卒業アルバムに残すことを頼まれる。
そんな彼がファインダー越しに見たのは、つぐみの隣で微笑みを浮かべる“もうひとりの”つぐみの姿だった。
想い人が棲むカメラを手に、少年の全力片想いが幕を開ける―――。(「恋の撮り方 (1) たなかのか:コミック | KADOKAWA」より)
写真部との出会いと先輩
どんなことがあっても笑わない「凍てつきの女神」の異名を取る三年生の写真部部長、佐々木つぐみ。
彼女が撮影した入学案内の写真を見て、この学校を選んだ新入生がいた。
実際の風景は印象よりきれいなものではなかったが、むしろそのことが彼に写真の魅力を感じさせることになる。
「撮った人の心も撮れているのかな。だったら僕はこの人の目で世界を見てみたい。」
その日から、河島まもるの写真と向き合う日々が始まっていく。

彼に直接教えてくれるのは、二年生のライカ先輩。
彼女は部長のつぐみ先輩が大好きで、撮影対象もつぐみ先輩専門のほとんどストーカーのような部員なのだが、好きなものを撮るということにかける情熱は誰にも負けない。
そのためか、本作での印象的な言葉は多くがこのライカ先輩によるものだったりする。

たとえば恋は光。「恋は光だよ!」
写真が光によって描くというのなら、彼女にとっての光はつぐみ先輩らしい。
その思いはもはや恋なのかもしれない。
そして河島も、入部してはじめてつぐみ先輩の姿(表紙参照)を撮った瞬間から、彼女への恋を自覚する。
偶然とは言えこんな表情を捉えてしまったら無理もない。
二人は、卒業アルバムにつぐみ先輩の笑顔を残すというシンプルながら未知の難題へ向け協力していくのである。
ファインダーの中の女の子

まだ見ぬ先輩の笑顔を追いかける河島には、カメラの中にいるもう一人のつぐみ先輩の姿が写っている。
比喩ではなく彼には実際にそう感じられるらしい。
本物とは制服の色が逆転しており、別人のような表情を見せる。
これは彼の恋心ゆえか。
まだ表に出てきていない先輩の内面がカメラを通して現れているのだろうか。
恋をすると世界の見え方が変わると言ったりするけど、ある意味最初の言葉が叶った形かな。
先輩がいつから笑わなくなったのかとか、過去にこのカメラを使用していたこととかにも秘密がありそうだが、2巻以降でのお楽しみ。
先日発売した恋の撮り方1巻のアマゾンレビューのある方のタイトル、
— たなかのか @恋の撮り方ほんとは3月27発売 (@tanananoka) 2018年3月29日
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️「こい」はきっと「この人の目で世界を見てみたい」の略
に、自分で書いてて気づいてなかったー‼︎って感動しています。
あとレビューありがとうございます。
これは確かに。