「イジらないで、長瀞(ながとろ)さん」はナナシによる漫画作品。
マガポケで2017年11月より連載を開始した。
帯の言葉は、「最恐の“Sデレ少女”現る!!!」 。
気弱な高校生男子と後輩のドS少女を描いたラブコメである。
「後輩の女子に泣かされた……!!」ある日の放課後、たまに立ち寄る図書室で、スーパー“ドS”な後輩に目をつけられた! 先輩を、イジって、ナジって、、はしゃぐ彼女の名前は──『長瀞さん』! 憎たらしいけど愛おしい。苦しいのに傍にいたい。あなたの中の何かが目覚める、“Sデレ少女”の物語。丸ごと2話の描き下ろしを加えて、待望の単行本化!!
(「『イジらないで、長瀞さん(1)』(ナナシ)|講談社コミックプラス」より)
長瀞さんと先輩
いつものように宿題を終わらせようとやって来た図書室は、普段は誰もいない穴場であったのだが、その日は彼の苦手なタイプの女子グループが先客だった。
目立たないように関わらないようにしていれば、何事もなく過ごせると思っていた所、運悪く目をつけられてしまう。
彼女は1年生の長瀞さん。

笑顔の似合う女の子。
この日以来、彼の周りには彼女の姿を見ることが多くなった。
放課後の美術部の部室や登下校時、休み時間など、何かと絡んでくるのだ。
SデレだのドSだの言われているが、元々は2011年頃から発表されたシリーズで、そちらはなかなかハードな内容であったらしい。
この1巻に関して言えば、一般向けにマイルドに抑えられていて安心して読めるようになっている。
むしろ真っ当なラブコメへの道を進んできており、長瀞さんかわいいなと思うまでになるはずだ。

先輩のことをイジり倒してはいても、それは主に彼のキャラや反応に対してであり、美術部としての創作や趣味で描いている漫画をバカにすることはない。
それどころか実演してダメ出ししてくれる事まである。
出会ったばかりの頃はいくらかきつい部分はあるものの、徐々に印象が変わってくる。

個人的には3話あたりのタイミングで週刊マガジンに出張掲載されたこの場面がきっかけだった。
ポケットの中のスマホの位置を確認しているんだけど、ここいいよね。
この時の長瀞さんの、こんな表情もできるんだとのギャップにやられてしまった。
それまでが悪い顔してたからね。

そんな彼女も、チャラい男には興味がない。
寄ってくる中途半端な連中にはこのクールな対応。
イジる相手は先輩だけなのだ。
それがうれしいかどうかだけど、先輩の方もまんざらではない。
そのあたりは彼女もしっかり距離を測っている描写もあり、本当に嫌がることはやらないように気を付けている。
ただ興に乗ると、ちょっとやり過ぎてしまう傾向もあるのが玉に瑕。

各話のおまけページでは、その事で反省する長瀞さんの姿が描かれている。