
「エルフさんは痩せられない。」はシネクドキによる漫画作品。
コミックガムで2016年12月より連載を開始した。
異世界の住人たちの悩み、それは人間世界の食べ物が美味しすぎることであった。
エルフさんの場合
世界は運動不足、ストレス、そしてカロリーに溢れている。
その日、整体リラクゼーション「スマイリーボア」の閉店前に現れた不審な人物、絵留札さんは初めての客だった。
彼女の悩みは、お腹周りのお肉が気になること。

かつて野山を駆けていた頃と違って、最近になってぽっちゃり体型になってしまったという。
その正体はエルフなのであるが、彼女がこちらの世界へ来た理由はフライドポテトを食べるためだった。
実家の森に住んでいた頃は調理法も少なく調味料も貴重だったため、質素な食生活を送っていたのだが、こちらの世界の食文化に触れた今では、すっかりその虜である。

なかでもフライドポテトに関しては神が与えし食べ物とまで崇めるほど。
その結果が掴めるぷにぷにのお腹につながっている。
元の世界に帰るゲートは重量規制があるため、なんとしても痩せなければならないのだ。
大好きなポテトを断ってでも。
かくして、エルフさんの過酷なダイエットが始まることになる。

ちなみにこの世界には、 絵留札さん以外にもダークエルフ、メロウ(人魚)、アルラウネ(マンドレイクの亜種)、オーガ、ライカンスロープ(狼人間)といった異世界の住人が移り住んでいる。
知らないうちにけっこう身近なところで暮らしているのかもしれない。
そして、それぞれの理由で痩せたいと願っているらしい。
1巻ではそんな彼ら(彼女ら)の日常が紹介される。
中でもダークエルフの黒枝さんは、こちらの世界に順応している一人だろう。
頑張っている彼女を見ていると、絵留札さんの残念さが際立ってくる。

ダイエットに欠かせないのは食事と運動だが、絵留札さんは運動することを嫌がっているわけではない。
むしろ積極的に他の亜人たちを誘って活動するだけの行動力とやる気をみせる事すらある。
かつては大自然の中を走り回っていた彼女だ。
あの頃の生活に近づけることで、スリムであった昔のようになれるかも知れない。
果たして彼女は本来の姿を取り戻すことが出来るのか。

…これ痩せる気ないな?