
「舞妓さんちのまかないさん」は小山愛子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2016年末より連載を開始した。
京都のとある屋形(置屋)で働く新しい「まかないさん」は弱冠16歳の少女。
舞妓志望からまかないさんへ
彼女はもともと、青森から舞妓に憧れてやってきた。
だが、残念ながら舞妓としては向いていなかったようだ。
稽古中も、周囲に見惚れてしまうことが度々あって、自分のことよりも夢中になってしまう。
ついには、おとめを言い渡される。

こういう場合は屋形のおかあさん(女将)と舞のお師匠さんへ許しを請いに行くことで稽古再開が可能らしいのだが、彼女の場合は向いていないとはっきり言われている。
好きの種類が違ったんだろうね。
自分がどうしても舞妓になりたいというよりは近くで見ていたい気持ちが強いらしい。
一緒に地元を出てきた幼なじみのすーちゃんが順調に上達していくのを喜ぶ一方で、自分が同期であることを忘れがちになるのんびりしたところがある。
そんな彼女にも取り柄があった。

家事は田舎で一緒に住んでいた祖母に一通り仕込まれてきた。
彼女の作る料理は絶品と言えるわけではないが、素朴で普通のほっとする味。
大所帯の台所を一人で任されるだけの才覚とその性格からくる安心感。
今ではみんなからも頼りにされるまかないさんである。

ぬか床の仕込みもばっちり。
そんな彼女の楽しみは、休みの日に外で食べるおうちカレーだったりする。
腰を痛めて辞めていった前のまかないのおばちゃんの家に、カレーを作らせてもらいに出かけたキヨ。
屋形では里心がつくようなメニューは禁止されているようで、こういった家庭的な食べ物が貴重なのだ。

一刻も早く食べたくてしようがない様子。
本来なら料理をしなくていい日なのに、作ることが気晴らしになるくらいなのは、もう天職なんだろう。
まかないさんとしての再スタートを切ったキヨがこれから、裏方として好きな世界に関わっていくのがどう描かれていくのか楽しみである。
彼女の暮らす屋形「市」の人員構成も謎のままだしね。
キヨはここに来て一年かそこらのはずなので最年少の部類に入るはずなんだけど、そんな雰囲気ではないというのも不思議な点である。
あとがき
キヨの働く台所は、京都市にあるゲストハウスがモデルになっている。
再現度が高いようなので気になる人は探してみるのもいいかも。