「夏目友人帳」は緑川ゆき原作のアニメシリーズ。
2016年10月より5期の放送中。
今回は第九話、修行の旅に出かけた友を探す、しいたけのような姿の妖怪。
前回はこちら。
旅に出た友を探して
友人帳目当てで襲ってきた妖怪から逃げていた夏目は、たまたま居合わせた小さな妖怪を巻き込んでしまう。大事な笠に傷がついたとひどくショックを受ける妖怪は、夏目に自分の子分となり手伝いをするよう命じる。というのも、今日、妖怪「朱遠」の荘厳な一行に紛れ込むことを画策していたのだ。「朱遠」は命の恩人で、互いに気安い交流を深めていたが、ある日、仙術修行の旅に戻るため妖怪のもとを去っていたのだという。
(あらすじ:アニメ 夏目友人帳 公式サイトより)
いつものように妖に追いかけられていた夏目は、橋の下に隠れようとして小さな妖怪を下敷きにしてしまう。
頭に笠をかぶった、しいたけのような見た目の妖。
名は三ツ皿(みつざら)。
その際に、笠に傷がついてしまった。
三ツ皿は修行の旅に出た友人を探していて、この近くを通るとの噂を聞きやってきていたのだった。
かつて、三ツ皿が獣に襲われている所を助けてくれたのが朱遠(しゅおん)だった。
「獣には獣の事情がある。それを…自然を見過ごせぬなど、まだまだ私は――」
朱遠はやさしい老妖だった。
その後も時々森で出会うと一緒に過ごしていたが、釣りに出かけても針を使おうともせず、それでもいつも楽しそう。
彼は仙術修行の旅をしていて、一時の休息をとっているところだったようだ。
また出発する日がやってくる。
何とかその一行に加えてもらいたいと傷を隠し着飾ってみる三ツ皿だったが、根本的な問題はそこではないのだ。
長い間の修行を続けてきて、更に先を目指す朱遠と共に旅をすることができるのは、志を同じくする者。
外見にとらわれて覚悟がないものはついていくことができない険しい道。
朱遠はその筋では高徳で名高いらしく、一行の神々しさはニャンコ先生でも言葉を失うほどであった。
従者に冷やかしと思われ、追い払われる三ツ皿。
それでも熱意だけは通じたか、後から同行する前に必要な修行のリストを届けてくれた。
強面ながら気の優しい妖である。
それがこの分厚い書類。
自分の体よりも大きい書物に、さすがにふらふらであったが、夏目の手助けは断っていた。
住む世界が違っても、近づくためにはあがいてみたい。
あらたな覚悟ができた瞬間。
叶わぬ願いを、それでもあきらめきれぬなら納得できるまで足掻き続けてみればいい。
この量の修行を終えるまでには長い時間を必要とするだろうが、相手が妖であるだけまだ幸いなのかもしれない。
原作の方の扉絵では、夏目の団子をついばむ傘をかぶった旅姿の鳥が描かれているが、関わりがあるのかな?
ニャンコ先生の事をみたらし団子と呼ぶ場面が追加されているのはこれを意識しているはず。
あとがき
次回は第十話、「塔子と滋」。
夏目を家に迎える頃のエピソード。
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