「舟を編む」は三浦しをんの小説を原作としたTVアニメ。
7話は、外部に執筆依頼を出していた原稿が辞書編集部に届いた。
西岡の思い
大学教授から上がってきた原稿に問題が見つかり、西岡と馬締は修正案を作成する。
そのなかで馬締は、大渡海には西岡が必要だと改めて感じる。
そんな馬締に、西岡は力強く語る。たとえ離れても、お前をフォローし続けると―――。
数日後。修正に激怒した教授から連絡が入り、西岡は一人謝罪に向かう。(あらすじ:TVアニメ「舟を編む」 | 公式サイトより)
春になって、執筆依頼を出していた原稿が辞書編集部に届いた。
光文大学の小田教授のものだ。
だが西岡は中身を見るなり顔を曇らせる。
個人的な思い入れの多い内容で、そのままでは使えない。
馬締と西岡は無駄な部分を削って修正案を出すが、問題は、小田教授が少々気難しい人な点である。
元の内容の半分が削られた。
説が分かれるものや、個人の好みで書かれることには慎重になる必要がある。
とは言え、客観的な事実の羅列だけでは個性がなくなる。
このバランスが難しいところだろう。
二人のやりとりを眺めながら微笑む松本先生。
早雲荘のタケさんと同じ目をしている。
いいコンビになったのだが、来月西岡は宣伝部に異動する。
残り少ない時間にしみじみする。
あとは任せたよ的な雰囲気を滲ませつつ先生は部屋を出て行く。
後日、小田教授から連絡が入った。
だいぶご立腹のようだ。
前回も手作りの弁当を隠すように食べていた人物。
教授は典型的な小物キャラで、わがままさんだ。
手直しされること自体が気に入らないのだが、西岡が頭を下げるとまんざらでもない様子。
「土下座までとは言わないが」と、調子に乗ってくる。
西岡も辞書のためならと、腰を下ろしかけたが、その時、編集部での事が脳裏に浮かぶ。
「大渡海はそんな安い辞書じゃねえ」
みんなこの仕事に誇りを持っている。
思い直して別件をもとに交渉に入った。
西岡の情報収集力のおかげか、あるいはハッタリか、教授も渋々納得することになるが、最後に編集部の思いを伝えるところはしっかりしていた。
今回は馬締と西岡、辞書編集部、西岡と彼女、執筆者とそれぞれの信頼が描かれるが、一言で言うと西岡さん、さすがですといったところ。
もう馬締の辞書編集部になっていくんだなと感じさせる。
そして時代が変わるのだと。
休憩中の屋上での西岡の言葉、「一人になっても、お前は独りじゃないからな。」の場面はかっこよかった。
西岡の置き土産は営業用の極秘ファイル。
執筆陣の性格や好みの情報が書かれている。
馬締の恋文のコピーも手にしていたが、それはどうするつもりなのか。
次回は第八話、「編む」。
13年後の辞書編集部が描かれる。
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