「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
23話は、菜花の家で住み込みで働く魚住さんが語る事故後の話。
前回はこちら。
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はかつて事故に遭った地を通り大正時代へ。そこで出会った陰陽師・摩緒(まお)の思った通り、菜花は7歳の時に地震で蘇った猫鬼に呪われた事が発覚。さらに「危篤だった祖父が生きている謎」が気になる彼女は真相を確かめに現代へ戻る。すると家政婦の魚住が摩緒の事を知っていて…?
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)23話 ―魚住さん―」より)
魚住さんの役目
震災後の大正時代から戻った菜花の前に、買い物帰りの魚住さんが現れた。
彼女は事故で両親を失った菜花を、祖父とともに見守ってくれていた人物。
そして物語序盤から一貫してわかりやすく怪しい存在である。
彼女はいったい何者なのか?

菜花も子供心に人間離れした人だとの印象を持っていたようだが、それもそのはず。
今回は謎につつまれた魚住さんの正体がついに明かされる。
幼い菜花を攫いゲートを潜った猫鬼から、彼女を守るために摩緒が放った式神。
これまで菜花が血の呪いによって得た妖力が表に出ないように封じてくれていたのであった。
摩緒の手を離れてから数年間、しかも時代を超越しての働きぶりは驚異的。
意思や思考も独立しているという超高性能式神なのである。
もちろん術者にも相当の負担がかかることが予想される。
普段の摩緒が乙弥のみを常駐させている事を考えると、同時併用は難しいのではないか。
もしかしたら現代の魚住さんは他に妖力供給源を持っているのかもしれないが。
と、ここまでは特に意外性はないのだが、問題は祖父の方である。
実のところ魚住さんも測りかねているようだ。
菜花に対して害意がないからと言って、猫鬼の関与が疑われないわけではない。

一方、摩緒の元へは貂子が訪ねてきていた。
ミルクホールは大きな被害を免れたらしく、物資を届けてくれたのである。
彼女の話では、夜になると帝都の上空を炎に包まれた首が飛び回っているのだという。
猫鬼の復活とともに五行町にも現れた妖を思わせるがどのような関連があるのか。
こちらはこちらでまだ一波乱ありそうだ。

帝都には摩緒以外にも猫鬼の復活に気づいていそうな者がいるようだし。
この髪の色は摩緒と同じ理由だろうか?
それとも猫鬼に関係なく妖力由来のものなのかどうか。
次回は巻頭カラーで登場!
単行本2巻の予約も始まっている。発売日は11月18日。