
「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
22話は、猫鬼のいなくなった大正時代の五行町での一日。
前回はこちら。
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はかつて事故に遭った地を通ると大正時代へ。そこで出会った陰陽師・摩緒(まお)による菜花=「妖」説の謎を解くため彼と行動する事に。地震で蘇った猫鬼は摩緒の「代わりの器」に7歳の菜花を連れ現代へ。脅威が去り猫鬼の体を使って疲れた摩緒が休む中、菜花は状況を整理する事に…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)22話 ―守護の式神―」より)
家族の正体を確かめに
焼け野原となった五行町商店街で、摩緒と菜花は束の間の休息の時間を過ごしていた。
猫鬼が去ってひとまず危機は回避できたものの、問題が先送りになったに過ぎない。
幼い菜花を連れゲートを潜った猫鬼によって、現代の彼女が狙われる可能性がある。
家族だと思っていた祖父たちの正体も分からない今、元の世界に帰ることは不安でたまらないだろう。

そんな菜花に、摩緒はこの時代に留まる道もあると説いてくれるのであるが、そう簡単に甘い展開になろうはずもない。
結界を通り抜けられない摩緒は、代わりに式神を飛ばして後を追わせたと言っていた。
何らかの形で彼女に関わっているはずだという。
確かに身近に居るそれっぽい相手には心当たりがある。
事故の後に、猫鬼と共に現代へと戻ってきた菜花が今まで無事に成長できたのも、その式神のおかげかもしれない。
何より心強いのは向こうでも一人ではないということか。

今後の対策を練るにしても、家族の正体を確認してからの方が選択肢は増えるということもある。
どんな理由があるにせよ、今まで育ててくれた中で疑う余地を持たなかったのなら直接の害意はなさそうだ。
危篤だった祖父が健在なのは猫鬼の仕業だとするなら、菜花が成長して器としての役割を果たせるまで育てさせたのかも知れない。
魚住さんのスムージーはそれを隠し遅らせるためのものだったりとか?
だとするなら彼らは菜花の味方であるし、そうであって欲しいところだ。

ここ最近、菜花が妖の力を見せ始めたことで、その平穏な生活にも終わりが近付いているのだろう。
震災の中で対峙した猫鬼は、菜花のことを器としてふさわしいと話していたし、今後はいつ狙われてもおかしくない。
そこで満を持して魚住さんのメイン回が来そうである。
事故後の菜花周辺の事情を全て把握していそうな重要人物。
菜花が乙弥に親近感を持っているのは、魚住さんと雰囲気が似ているせいもあるのではと思っているのだが。
単行本2巻の予約も始まっている。発売日は11月18日。