
2018年10月に読んだ中で、おすすめの漫画をいくつか紹介する。
今月は1巻の数が多かった印象。
前回はこちら。
「やさしいヒカリ」1巻(中村ひなた)
友人のつてで田舎の町にやって来た三宅の新しい仕事は郵便局長。
そこは喫茶店に併設の窓口がある小さな局だった。

下宿先の娘で配達のアルバイトをしている日和子(ひよこ)や島の人々との交流で癒やされていく日々を描いている。
ヒロインも高校3年生で進路の選択に迫られている時期なので短い期間の物語なのかも。
作者の表情の描き方が好き。
本作が気に入った人は「ココロのプログラム」も読んでみて欲しい。
「図書館の大魔術師」2巻(泉光)
大陸の中心にある本の都アフツァックで、カフナ(司書)になる事を夢見る少年シオの冒険を描くファンタジー。
2巻では成長したシオが都へ旅立ち試験を受けるまでを描いている。
道中で同じくカフナを目指す将来の仲間になりそうな者たちとも出会うが、中でも気になるのはこの小動物。

双尾(フルア)と呼ばれる種類のアルビノ(作中ではシトラルポル)で、人の言葉や心を解するようだが何者なのか。
正体が人でも驚きはしないけど。
最初の筆記試験は3日間。
時間配分は各自に任せられているが、寝る間もないほどの分量であった。
地獄の試験とも呼ばれ、精神に不調が出るものも続出するらしい。
シオは寝ないことを決意するのだったが…
「空挺ドラゴンズ」5巻(桑原太矩)
空を泳ぐ巨大生物・龍を追い、航行を続ける補龍船クィン・ザザ号の乗組員たちの物語。
5巻は、過去編。
駆け出しの頃のヴァナベルやミカのエピソードが描かれる。
表紙はクィン・ザザ号に乗る前のミカと、師匠とも呼べるクジョー。
「捕って解体して食う! それが龍捕りだ」の言葉は彼が教えたもののようだ。

時代の流れに逆らって手投げ銛を使い続けた彼のやり方は、うまい肉を食うことに情熱を燃やすミカに、そしてその仲間たちにも受け継がれている。
「蟲籠奇譚」2巻(西塚em)
生物部の備品を壊してしまった代償として仮入部中の転校生・夢飼ねねと、怪しげな部員たちの日々を描く。
2巻では、部員不足で存続の危機にあった生物部についに新人が入る。

もちろん曲者で、サークルクラッシャーと噂の騎士本すなおである。
これまで数々の部を潰してきた(自称)小悪魔系だが、生物部ならその心配はいらなそうだ。
ねねの心の声が毒舌すぎるが部長のキャラを的確に言い表している。
「魔王城でおやすみ」9巻(熊之股鍵次)
魔王城に囚われた人間の姫が、快適な眠りを求め奮闘するファンタジーコメディ。
9巻は魔王城で大納涼祭が開催されることになった。
城外から訪れる魔物たちに向け、姫が過去最高の人質っぷりを見せてくれる。

人質だから強制労働はするし、見せしめに通りを引き回されたりもするし、カフェでお恵みされたりもする。
ノリノリの姫だが、「無理やりじゃなくて、仲間に入れて!ってしたかったの。」と珍しい発言。
時々見せるこういうところがずるいよね。
「明日ちゃんのセーラー服」4巻(博)
セーラー服に憧れて母の通っていた蠟梅学園に入学した明日小路(あけび こみち)の学園生活。
4巻は体育祭も終わり夏休みに入る。
後夜祭に演劇部代表として踊ることになっていた小路だが、現在の部にはピアノを弾ける部員がいなかった。
そのことを知ったクラスメイトの兎原透子の提案で、サプライズが決行されることに。

知らされていなかった木崎江利花の登場にこの表情。
「異世界おじさん」1巻(殆ど死んでいる)
17年振りに異世界から帰還したおじさんと、彼を引き取ることになった甥のたかふみの日常コメディ。
美男美女だらけの異世界で、オークの亜種と誤解されたおじさんは多くの苦労を重ねてきたようだ。
そのため、戦闘に関しては経験豊富なおじさんも、恋愛ごとには悲しいくらいに疎かった。

それでも彼に好意を持ってくれた相手もいたのだが、清々しいほどに全てのフラグをへし折っていく。
回想シーンで登場するエルフの女の子が不憫すぎて、彼女のその後が気になってしょうがない。
「けもらいふ」(雪本愁二)
かわいい動物たちとのもふもふライフを描く1p漫画集。
行方不明になった柴犬のペスや、ささりたがるハリネズミや、巨大なインコとのやりとりに思わず頬も緩くなる。

お気に入りは気弱なクマと女の子のコンビ。
落ち込んでいるクマを元気づける彼女だったが、その原因はと言うと…
「ドリフターズ」6巻(平野耕太)
異なる時代や国を生きた英雄たちが、漂流者(ドリフターズ)と廃棄物(エンド)の二つの勢力に分かれて戦う歴史ファンタジー。
6巻は、人と化物の全てを掛けた生存戦争、マモン平原での総力戦である。
黒王軍を指揮するのは明智光秀、信長の戦い方をよく知っている彼の参戦で苦戦を強いられるが…。

島津豊久のこの言葉がフラグになるのか?
2年半振りの新刊はまた絶妙に気になるところで終わっていて、またしばらく悶えさせられそうである。
豊久と土方の再対決はどうなるの?
「バレエ星」(谷ゆき子)
かつて学年誌で連載されていた作品で、50年の時を経て復刻され話題になった超展開バレエ漫画シリーズ。
その中で代表作と言えるのがこの「バレエ星」とのこと。
あらすじの時点でもう面白い。

母の書いた新作「バレエ星」を演じるためバレリーナを目指す少女かすみの物語。
こんな登場の仕方なので、お母さんが亡くなったんだなと思いきや、バレエ星のためなら母は死の淵からでも蘇る。
何よりすごいのはこれが「小学1年生」に掲載されていたことかもしれない。