「人形の国」は弐瓶勉(にへい つとむ)による漫画作品。
2017年2月より月刊少年シリウスで連載を開始した。
因縁の相手イーユとの戦いを終えたエスローたちは、ケーシャの故郷イルフ・ニクへと向かう。
『BLAME!』『シドニアの騎士』の弐瓶勉が描くダーク・アドベンチャー・ファンタジー、待望の最新刊! 故郷を滅ぼした帝国の正規人形・イーユとの決着はついたが、更なる危機がエスロー達に訪れる。帝国との戦いと、アポシムズを彷徨う旅は続く・・・・・・!
(「人形の国(3) (シリウスコミックス)」より)
前回はこちら。
イルフ・ニクの里へ
帝国の正規人形を倒しながら旅を続けるエスローたちは、ついに故郷・白菱の梁を滅ぼした上級転生者イーユと再会し、仇を討つことに成功した。
また同時に、彼にとっては厄介な敵もできてしまう。
これから向かう先は、ケーシャの仲間たちの住むイルフ・ニク。
かつてリベドア帝国に首都を奪われたが、生き延びた人々で地下200kmの深層部に里を築いたという。

出会った頃はエスローに対して当たりのきつかったケーシャも、次第に打ち解けてきた。
二人の境遇は似ているし、ともに命をかけて戦ってきたので時間の問題だっただろうか。
彼の過去を知ってからは、明らかに態度が変わってきている。
こんな表情を見せるようになるとは。

ケーシャの故郷イルフ・ニク王国は地底信仰の民で、そこからの使者と考えられているタイターニアとその一行は歓迎されている。
国王のカジワンは彼女の援助をしたいとケーシャを送り込んだ人物、そして実の兄であった。
かつて自ら転化を試みたこともあるという彼の、帝国への思いは並々ならぬ物があるようだ。
彼が切り札と考えている恒差廟(ごうさびょう)は過去作にも登場したワードらしく、帝国との戦いにどのような影響を及ぼすのか注目である。

里での日々は、作中で描かれた初めての平和な時間かもしれない。
故郷を出てから久々の入浴の機会も得た。
メインヒロインのお風呂シーンだというのに、ここまで色気を感じさせないのも逆にすごい。
適合率の低かったエスローはその分補給と休息を必要とするが、タイミングを選べないのが難点である。
タイターニアに放置された彼がたどる運命は言うまでもない。
リベドア皇帝の謎

今回、リベドア帝国とタイターニアの関係に新たな事実が発覚する。
上級転生者からの認知度で長いこと帝国と戦ってきたことをうかがわせていたが、むしろ建国以前からの因縁なのかも知れない。
2016年に発表された読切版で、タイターニアの手助けをした元配管工の青年スオウニチコが、現皇帝と同じ名前なのである。
青年はその後、タイターニアと共に地底にあるという人形の国へと向かったが、同一人物なのだろうか。
それとも名を継いだ人物なのだろうか。
『人形の国』第12話掲載! 今話、ヤンマガで掲載した読切(「行き先は特異点 」(年刊日本SF傑作選)所収)を読んだ方が「おおっ!」となるシーンがあります 。単行本第2巻も絶賛発売中! #人形の国#弐瓶勉#APOSIMZ#aposimzpic.twitter.com/aohtxoJH4G
— 月刊少年シリウス編集部 (@shonen_sirius) 2018年2月26日
皇帝は予想よりだいぶ見た目が若かった。

タイターニアに対してかなり強い憎しみを持っている様子。
人形病と怪我の影響で、彼を救う方法は正規人形になるしかなかったかと考えられるが、その後地底で何を見たのか。
その形相にかつての面影はない。

タイターニアもエスローたちに秘密にしていることがありそうだし、地底側が彼女の他に姿を見せないのも気になる。
あとがき
今回も限定版として実物大のタイターニアを自宅に置けるセットがある。
▶1/1スケール タイターニア自動機械形態 組み立てキット付き 人形の国(3)限定版 (講談社キャラクターズA)