「究極超人あ~る」はゆうきまさみによる漫画作品。
週刊少年サンデーで連載されていた。(1985〜1987)
その後、作者のデビュー25周年にあたる2010年から特別読切として数回に渡って掲載され、ついには単行本として発売されることになった。
前回の9巻からなんと31年振りのことである。
帯の言葉は、「文化系日常マンガのジャンルを切り拓いた名作が時を超え完全復活!」。
31年ぶりの新刊! 春高光画部は不滅です!
ゆうきまさみ、伝説の作品が新たに動き出す!1987年の9集発売から31年ぶり、待望の最新刊が発売です! 時は流れても、彼らはあの頃のまま。Rくん、鳥坂さん、さんご、たわばセンパイ、その他大勢の仲間たち…! 今も春風高校光画部のみんなは破天荒で規格外な日々を過ごしています! 雑誌掲載時のカラーを完全再現! 同時刊行の完全版BOX2に収録の10集と同内容です。
光画部の部長選挙
舞台は連載終了後の春風高校。
1987年の秋、最上級生(卒業保留)R・田中一郎の後を継いでいた光画部部長・天野小夜子も、受験に向け引退を決意する。

歴代部長のなかでもしっかり者であった彼女の次の候補は誰になるのか。
現在の2年生は三人。
曲垣剛(まがき ごう)、兵藤信(ひょうどう まこと)、西園寺えりか(さいおんじ えりか)である。
実務的な点で考えれば曲垣一択なのだろうが、OBの鳥坂先輩は西園寺えりかを次期部長に推薦するのであった。
理由は一番面白くなりそうだから。

姉の西園寺まりいは、名誉会長として今も生徒会に影響を持ち続けている。
妹が天敵である光画部の部長になる事を知れば黙ってはいないだろうという思惑もあった。
卒業生同士の諍いが現役部員に関わってくるのは、OBの方が出席率が高いとも言われる本作では日常茶飯事である。
えりかの部長就任を阻止するため、まりいは彼女を次期生徒会長に推薦するのだったが。

そこにOB同士の発言権問題も絡んできて…
読み切りから始まってはいるが、中心になるエピソードは明らかに単行本化を見据えて作られていて、思ったよりもちゃんと続編になっている。
本編では四人目?の部長に選ばれるのは誰なのか。
9巻が出たのは1987年なので、まだ昭和だった頃。
連載されていた時代を知っている人にとってはたまらない一冊なんじゃないだろうか。
既刊の内容を忘れていても特に問題なく読めるかなという印象。

鳥坂先輩のこんな所に時代の流れを感じる。
当時のものを今読んだら胸焼けしそうな気もするが、最新刊はそのあたりも配慮されていて、懐かしさは残しつつ読みやすくなっていると思う。
次は40周年でなにかあるのかな。