
「恋せよキモノ乙女」は山崎零(やまざき ぜろ)による漫画作品。
コミックバンチwebで2017年より連載を開始した。(2018年4月にくらげバンチに移籍)
帯の言葉は、「キモノ着て、恋しよう。」
大阪で家族と暮らす野々村もも。彼女の楽しみは、亡くなった祖母から受け継いだ着物を着て、おでかけすること! 京都の老舗喫茶店、大阪のレトロモダンな図書館、琵琶湖のほとりにある絶景の神社など、関西のあちこちを大好きな着物で訪れます。おでかけ先では、素敵な出逢いもあって……。繊細なタッチで描かれた四季折々の古都の情景と、ももちゃんの恋模様をどうぞお楽しみに♪
(「恋せよキモノ乙女 1巻 (バンチコミックス)」より)
祖母の着物とおでかけ
休みの日に着物を着て、お気に入りの場所に出かけることが、野々村ももの最近の楽しみだ。
亡くなった祖母が娘時代から揃えてきたものを、今では彼女が受け継いでいる。

子供の頃からそれらを着ることができる日を心待ちにしてきた。
着付けも手入れも一人でするには手間がかかるのだが、普段とは違う自分になれる特別な時間として大事にしているようだ。
季節ごとに柄や色を選んだり、小物からコーディネイトを考えたり、選択肢が多い分、想像する楽しみもある。
祖母いわく、「特別な女の子にしてくれる、魔法のドレスみたい」 とのこと。

1話では庭の木蓮のつぼみから着想を得た春らしい装いで京都の喫茶店へ、2話では冊子文様の帯を合わせて中之島の図書館へ、など行動範囲は近畿6府県にまたがり、かなり広いと思われる。
月イチのちょっとした遠出くらいの感覚だろうか。

おすすめは、奈良のおふさ観音の風鈴まつりに姉のゆきと出かけるエピソード。
成人式での経験から和服が苦手という姉が、恋人に見せるために浴衣を着たいと相談してくるのを切っ掛けに、いつもとは違う姉妹の仲のよさが垣間見える。
ちなみに風鈴まつりは7月から8月末までやっているので今がちょうどいい時期。
1話での着替えのシーンはたっぷりページ数を使って描かれている。
こういうのは今まで「ちろり」(小山愛子)のイメージだったけど、これからは本作になるのかもね。
各話の最後に着物スタイリスト・コバヤシクミによるコーディネイトの解説とコラムが掲載されているのもうれしい。
あとがき
つい先日2巻が発売されたばかりなのだが、初回特典として「ももちゃんの関西おでかけMAP」が付いてくるようだ。
こういうの電子書籍でもやって欲しいな。