「GIGANT」は奥浩哉による漫画作品。
ビッグコミックスペリオールで2017年12月より連載を開始した。
「GANTZ」(集英社)、「いぬやしき」 (講談社)に続いて、今度は小学館での登場である。
『GANTZ』奥浩哉が描く圧倒的最新作!
人生に巨大な奇跡は起こるだろうか。僕たちはそれに気づくだろうか。映画監督志望の高校生・零がある日、町で目にしたのは、大ファンである「女優」パピコを中傷する張り紙だった。深夜、家を飛び出し張り紙をはがしてまわる零に声をかけたひとりの女性。それは---。まだ誰も目にしたことのない、全く新しいボーイ・ミーツ・ガールが幕を開ける!!(『GIGANT』1巻(奥浩哉)」より)
思わぬ出会い
映画プロデューサーの父を持つ横山田零は、将来監督を目指す高校生。
同級生たちと、映画祭に応募するための作品を準備している。
そんな彼の趣味の一つはAV鑑賞で、特に女優パピコの出演作は全て揃えているほどのファンであった。

ある日、街中に貼られていた彼女を中傷する張り紙を剥がして回る零の前に、パピコ本人が現れるのだが…
これは運命の出会いか、はたまた偶然か、彼らはこの街で起こる不可解な出来事に巻き込まれていく。
その一端は二人の会話からもうかがえる。

実際に起こったことを話していてこれである。
パピコ本人も事態をうまく飲み込めずにいるのだが、無理もない。
その分、ぬいぐるみの件で照れが見られるのがよいね。
巨大化するヒロインと相次ぐ不思議
ヘルメットと変態のワードで特定できるほど有名らしいおじさんも、背景に溶け込みきれない存在感を放って登場していたのだけれど、どうやら只者ではなさそうな感じ。

事故現場に遭遇したパピコは、それ以来巨大化することができるようになった。
知らず知らずのうちに、後を託されたようなのだ。
このおじさんは何者なのか。
タイトルのギガントはヒロインであるパピコを指しているのか、それとも地球に害をもたらす何者かのことだろうか。
手掛かりは、残されたDVDにありそうだ。

パピコに預けられたDVDを再生する零。
彼女に関する特別映像を期待していたのに、ブリーフ姿の変なおじさんの行動記録を延々と見させられては涙目になるのも当然である。
だが、ここに重大な秘密が隠されているかもしれないのだ。
露出度が高いのも、巨大化に対応しやすいようにとの計算の可能性もあったりするのかもしれない。
未来の映画監督としては、この膨大にして貴重な記録を分析することで得るものもあるだろう。

中でも気になるのは、ETE(Enjoy The End)と題された謎サイト。
アンケートで一位を取った項目が現実化してしまうという、とんでもない内容で小中学生に爆発的に広まっているという。
今までは大規模な子供のいたずらレベルのイベントでしかなかったが、次第にエスカレートして悪意を持って使われだしたら目も当てられない。
「みなさんで終末を楽しみましょう」の言葉から、運営者はそれを想定して作っていると思われる。
これが、ヘルメットおじさんが警戒していたものと関係があるのかどうか。
1巻の時点では具体的な敵とか目的が明示されるわけではないが、忍び寄る不穏な空気とヒロインの活躍への期待感でわくわくしている。