
「ダメなカノジョは甘えたい」は よしだもろへ による漫画作品。
月刊少年マガジンで2018年1月より連載を開始した。
「よい行いを続ければ、いつか自分に返ってくる」そんな信条を持つポジティブ苦労性の男子高生・上埜一等。母子家庭で、家事もバイトも頑張り、人の頼み事も断らない彼が、ある日遭遇したお隣さんは、だらけ癖のある甘えん坊のお姉さんで…? 年の差ドタバタラブコメ(?)開幕‼
(「講談社コミックプラス」より)
上埜くんは断れない
高校2年の上埜一等(うえの いっとう)は、他人の頼み事を断れない。
日頃から良い行いをしていればいつかは自分に返ってくる、という考えも無くはないが、昔からのことなのでもう性分なのだろう。

本人が思っている以上にお人好しが過ぎるところがある。
だが、この年代にしてはドライな恋愛観を持っているようだ。
だらしない母親を見てきたおかげで、女性への幻想など抱かないまま成長してきたのだった。
今はバイトしてほしい物を手に入れる事が優先事項。
そんなある日、母が失踪した。
どうやら初めてのことではなさそうなのが不憫ではあるが、これから一人で生活していく必要がある。

途方に暮れた彼を助けてくれたのは、隣室の女の子。
見た目以上にしっかり者の彼女は、漫画家・野薔薇ひふみの監視役兼アシスタントであった。
やえちゃん様と呼ばれている。好物はからあげである。
漫画家とメシスタント
彼に任されたのは、彼女たちの仕事中のご飯を作ること。
毎日料理をしている彼からすれば造作でもないことであるが、いつも彼の部屋から漂ってくる匂いが気になっていたらしい。

「野薔薇ひふみ」の名には聞き覚えがあった。
彼の働く本屋の先輩いわく、すっげー美人でナイスバディとのことだったのだが。
彼女にその面影はない。
そのへんは恋愛事に興味のない彼には特に問題ではないだろう。
とりあえず家事代行のやりがいがありそうな雰囲気を醸し出している。

メインである食事作りだが、気を回しすぎて斜め上に行きがちである。
彼に求められているのはいつも家で作っているようなご飯なのだけれど。
この辺がうまく回り出すと、現場の士気も上がり、彼も安らげる場所を手に入れられるだろう。
賑やかな食卓は彼にとっていつ以来のことなのか。
ちなみに、甘えん坊のお姉さんはまだ登場していない。
やえちゃん様の管理能力と、締め切り前の空気の賜物なのかもしれない。

脱稿後は一瞬だけ素顔を見せたが、彼がそれを知る日は来るのだろうか。
しばらくはこの状態でいくのかも。
甘えたいのはむしろ上埜くんの方なのかもしれないけどね。
苦労性で甘え方を知らない彼にとって、大事な居場所になってほしい。
ドタバタしていても幸せそうな未来がみえるのがいいね。