
「柚子森さん」は江島絵理による漫画作品。
やわらかスピリッツで連載中。
柚子森さんと一緒に歩いているところを、彼女の同級生に見られた日から、二人の間に不穏な空気が漂いだす。
帯の言葉は、「もはや全ページが神域なマンガです。」「この尊さ、もはや聖遺物…!」「“柚子森さん”が誘う新たな彼岸。」
すごいな。
柚子森さんと、みみか。白くて、小さくて、華奢で、凛としている小学生の女の子と、意気地なしでついつい敬語の女子高生との、そわそわ&ほんわかな日々のお話。あいかわらずのいちゃこらな日々。柚子森さんの同級生も加わって・・ なんだかとってもにぎやかです
(「柚子森さん 4 | 小学館」より)
前回はこちら。
りりはの罠
放課後は一緒に帰り、休日は家でゲームをしたりして過ごす柚子森さんとみみかの二人。
何事もない穏やかな日々が続くが、平和であることが一番なのかもしれない。
親の帰りが遅い柚子森さんにとっては、みみかといると安心することができる。
彼女が寂しさからか大人びていることは確かだが、親子仲は悪くなさそうであるし、学校でも同級生たちと仲良さそうなところも見られる。

一部の例外を除いては。
ほのぼの系?であった柚子森さんの世界に強烈な眼力の持ち主が現れた。
綾瀬りりは。柚子森さんの同級生の一人である。
彼女は、柚子森さんが楽しそうにしているのが気に入らない。
というより、その関心が自分に向いていないことが許せないといった様子。
嫉妬のうちで済んでいればまだよかったのかもしれないが、行動力も持ち合わせていたことで波乱が訪れる。
みみか陥落。

自分と過ごす時間を優先していることで、柚子森さんが学校で孤立していると思い込んだみみかは、彼女と距離を置くことを決意する。
この不自然な表情。
相手を思うあまりのこととは言え、ずいぶん極端に行ったなと。
二人の年の差がここに来て効いてきてる。
この時もっと突っ込んで話をできていればよかったのだろうか。
お互いに先回りし過ぎなんだよね。

そしてみみかは抜け殻に。
以前、しーちゃんにセミの抜け殻みたいと言われたこともあったが、その時とはまた違う抜け殻っぷり。
柚子森さんに嫌われたら生きていけないとまで思っていたのに、自分から突き放すことをしてしまった。
ただただ柚子森さんが寂しい思いをしないようにと願いながら。

柚子森さんはまた以前の生活に戻るが、決定的に違うことがある。
みみかがいない。
出会ったばかりの頃の柚子森さんの言葉を、みみかは思い出せるだろうか。
そんな状況を打破できるかもしれない人物がいる。

ここからのしーちゃんがかっこいいんだ。
惚れちゃうぜ?
あとがき
今回はいつもの百合成分が足りていないせいか、おまけページでは谺(こだま)連発の大盤振る舞いである。
ありがたい。
巻末には、みみかの必殺技である「谺」の詳細解説も付く。
5巻が待ち遠しい。