
「とんがり帽子のアトリエ」は白浜鴎による漫画作品。
月刊モーニング・ツーで連載中。
17話は、ココのために必要な薬を探し当てようとするタータ。
前回はこちら。
二人とも助けてくれる魔法
体調不良で倒れ、一晩病院に泊まることになったココ。
近くの火事で医師が不在の中、苦しむ彼女のために薬を探し出そうとするタータだが、魔法器を使った方法では限界があった。
そんな彼を見て、ココが提案した二人とも助けてくれる魔法とは。

これまで何度もピンチを救ってくれた破砕の魔法陣を応用すること。
陣の構成要素である矢の描き方によって、魔法の効果が変わってくる。
長さや角度や歪みで大きく変化することを、彼女は「魔法ってすごく素直」と表現していた。
術者の経験や技量が如実に反映される部分なので難しいところでもある。
その矢を反対の向きにしてみたら?
形を粉々にする魔法が、復元する効果に変わるかもしれない。
ただし、弱っているココに代わって陣を描くのはタータの役目である。
彼は魔法陣を描くことには慣れていないが、魔材の扱いには長けている。
バランスを見ながら調整する作業も得意だ。
銀彩症で夢を諦めかけた彼が、この世界で生き残るための道。

この日、ココの協力を得て、おそらく初めて自分の魔法を成功させた。
早くに症状が発覚した彼はずっと我慢してきたんじゃないだろうか。
魔法使いの一族でありながら魔法が使えないことを、友人たちにも隠している。
そのため、今回の成功した時の表情がとてもうれしそうだった。

無断で薬を持ち出そうとしたことには、当然 怒られることになるが。
病院を完全に空にするわけないでしょうという言葉はごもっともである。
ただし、タータはココに必要な薬草、いたわり草を見つけ出すことができたようだ。
その点に関しては感心されてもいた。
彼だってとんがり帽子の持ち主である。

この時の二人の表情がもうね。
そして、今回の一件で一つの希望が見えてきた。
矢をさかさまにする事で魔法の効果もさかさまになる事がある点。
これは他の魔法でもそうなのだろうか。
たとえ禁止魔法でも?

そこに踏み込むのは危険な考えなのだろうけれど。
それでも石化した母親を助けることができる可能性が存在することは、彼女にとってやはり希望だろう。
そのへんのことまで見越して、つばあり帽たちが彼女を狙っているのだとしたら…
あとがき
単行本第3巻の発売日が、2月23日に決定した。
限定版もあるらしいが詳細は後日とのこと。
単行本作業のため来月号では休載。