2016年12月に公開する新作映画で、面白そうなものを10本選んでみた。
この時期はクリスマス映画をたくさん観たくなるんだけど、なかなかそれっぽいものが無かったな。
前回はこちら。
マダム・フローレンス! 夢見るふたり
ニューヨークの社交界のトップ、マダム・フローレンスの尽きない愛と財産は、夫のシンクレアと音楽に捧げられていた。ソプラノ歌手になる夢を追い続けるフローレンスだが、自分の歌唱力に致命的な欠陥があることに気づいていない。愛する妻に夢を見続けさせるため、シンクレアはおひとよしなピアニストのコズメという伴奏者を見つけ、マスコミを買収し、信奉者だけを集めた小さなリサイタルを開催するなど献身的に立ち回っていた。しかしある日、フローレンスは世界的権威あるカーネギーホールで歌うと言い出して―。
(あらすじ:映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』公式サイトより)
フローレンス・フォスター・ジェンキンス、1944年10月25日の公演はカーネギー・ホールのアーカイブで歴代1位の人気を誇る。
その伝説の歌姫は絶世のオンチだった。
幼少時にはピアノで才能を示し、8歳でホワイトハウスに招かれたこともあったが、父には反対され、また病気と怪我のためにピアニストの夢は諦めた。
後に遺産を相続した40代の時に歌手としてデビュー。
歌の評価はともかく、彼女自身には人気はあったようだ。
実際に本人の歌っている音源を聴いてみたけど、正直つらいね。
病気の治療による後遺症が原因ではないかと言われているが、本人は出来ていた頃の感覚でいたのかもしれない。
彼女を傷つけないように手回ししていた夫も、カーネギー・ホールでは手が出せない。
はたしてどうなるか。
音源を探している時に、「戦慄のデスオペラ」と題されたものまであった。
逆に興味わくよね。

『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』予告編 - YouTube
監督:スティーブン・フリアーズ
出演:メリル・ストリープ / ヒュー・グラント / サイモン・ヘルバーク
RWBY Volume3
日本のアニメを愛好するスタッフたちが立ち上げたアメリカのアニメーションスタジオ「Rooster Teeth Productions」による、オリジナルの3DCGアニメ「RWBY(ルビー)」のサードシーズン。科学技術と魔法が共存する世界「レムナント」を舞台に、「グリム」と呼ばれるモンスターを討伐するハンターの育成学校に通う少女ルビーらの活躍を描く。2年に一度開催される「ヴァイタル・フェスティバル」でにぎわう首都ヴェイルに、レムナント史上最悪と言われる事件の影が忍び寄り、ルビーはヴェイルの街と仲間たちを救うため立ち上がる。日本語吹き替えキャストとして、川澄綾子、平田広明、堀内賢雄ら実力派声優が「Volume3」から登場する新キャラクターの声を担当。
(映画.comより)
RWBY(ルビー)Volume 3の日本語吹き替え劇場版。
これは前期までの声に違和感のない人向け。
個人的にはオリジナル(字幕)の方がおすすめだが、この劇場版で興味を持つ人が増えるならうれしいことだと思う。
RWBY(ルビー)って何よって人はこちらの予告編をどうぞ。
1期から3期までの内容をさらっている。

RWBY Volumes 1-3 Recap: The Story So Far - YouTube
出演:早見沙織 / 日笠陽子 / 嶋村侑 / 小清水亜美
▶「RWBY(ルビー)Volume 3」トーナメント編、始まりの終わり
「アニメーションの神様、その美しき世界」霧の中のハリネズミ他
1941年9月15日、旧ソ連に生まれたロシア人アニメーター、ユーリー・ノルシュテイン。切り絵を用いた緻密な作風で知られ、文字通り“アート・アニメーションの神様”として、日本の宮崎駿・高畑勲監督をはじめ、世界中のアニメーターからリスペクトされる存在です。本特集上映ではノルシュテイン監督の生誕75周年を記念して、その代表的な監督作を世界初となるHD画質のデジタルリマスター(2K修復版)にて、12月より「ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映 〜アニメーションの神様、その美しき世界〜」と題し、東京のシアター・イメージフォーラムほか全国の劇場で順次公開して参ります。
ノルシュテイン作品が劇場で観れる、しかもデジタルリマスターで!!
個人的に12月の最重要作はこれかな。
上映作品は以下の6つ。
- 『25日・最初の日』(1968年)
- 『ケルジェネツの戦い』(1971年)
- 『キツネとウサギ』(1973年)
- 『アオサギとツル』(1974年)
- 『霧の中のハリネズミ』(1975年)
- 『話の話』(1979年)
以前制作の様子をとらえたドキュメンタリーを観たことがあるが、複数のガラス板でできたテーブルに、背景用とキャラクター用の絵をパーツごとに細かく切ったものを並べ、ライトを当てながら撮影していく。
気の遠くなるような作業だった。
特に『霧の中のハリネズミ』がおすすめ。
森の中の奥行き感、光で表現された幻想的な霧がきれい。

ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映「アニメーションの神様、その美しき世界」予告編 - YouTube
ヒッチコック/トリュフォー
フランソワ・トリュフォーによるアルフレッド・ヒッチコックへのインタビューを収録し、「映画の教科書」として長年にわたって読み継がれている「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」を題材にしたドキュメンタリー。インタビューが行われた1962年当時のヒッチコックとトリュフォーの貴重な音声テープをはじめ、マーティン・スコセッシ、デビッド・フィンチャー、黒沢清、ウェス・アンダーソン、リチャード・リンクレイターらヒッチコックを敬愛する10人の名監督たちにインタビューを敢行し、時代を超越したヒッチコックの映画術を新たな視点でひも解いていく。(映画.comより)
映画好きの間で知られている本の初版から50年。
現代の映画監督10人が、これを元にヒッチコックの魅力を語る。
本作の後にヒッチコック作品を観ることが楽しみになりそう。
huluにもいくつかあるけど、AmazonビデオかiTunesが豊富に揃ってるね。
僕は「裏窓」推し。

映画『ヒッチコック/トリュフォー』予告篇 - YouTube
幸せなひとりぼっち
愛する妻を亡くした孤独な中年男オーヴェ。かつて町内の自治会長を務めたこともあり、近所には規律に厳しい人間として知られていた。年齢を重ねてからは気難しさに拍車がかかり、いつしか鼻つまみ者でしかない厄介なおじさんと化していた。地域の治安を守るため、共同住宅地の監視役を自ら買って出ていたのだが、数年前、自治会選挙で落選。今や、誰からも望まれていない見回りを日課とする日々を送っているのであった。
(あらすじ:幸せなひとりぼっち公式サイトより)
気難しくて近所から厄介者扱いされているじいさんが、引っ越してきた家族との交流で心を開いていく。
原作も映画も現地では大ヒットらしい。
家族を亡くし、自治会選挙にも落選、仕事もクビになった。
誰にも必要とされていないと感じ、生きていく希望を失った時のひとつの出会い。
若い頃の彼は笑顔だった。
子供たちの懐きかたからして根はいい人なんだろうね。

不機嫌じいさんが…!映画『幸せなひとりぼっち』予告編 - YouTube
監督:ハンネス・ホルム
出演:ロルフ・ラスゴード / イーダ・エングボル / バハー・パール
ニーゼと光のアトリエ
1943年、郊外の病院からリオデジャネイロに戻ってきたニーゼがペドロ2世病院の門を叩く。彼女は、同僚医師が行う電気ショック療法で患者が絶叫する姿に衝撃を受け、以後、暴力的な治療を断固拒否。そのため彼女は院長から、看護士によって運営されていた予算の少ない作業療法の担当を言い渡される。
2015年東京国際映画祭において、グランプリと最優秀女優賞を受賞している。
ブラジルの精神科医ニーゼ・ダ・シルヴェイラ(1905〜1999)の実話を元にした作品らしい。
ユングの著書に影響を受け、患者に絵を描かせる治療を始める。
無意識への着目。
ロボトミー手術や電気ショックによる治療が一般的だった病院の考え方を根本から変えていった女性。
本作は企画から13年かけ、その間に実際に病院で2、3ヶ月生活してみたりもしたという。
ホベルト・ベリネール監督はドキュメンタリーを多く手がけてきた人物で、今回も意図的にその手法が採用されている。

映画『ニーゼと光のアトリエ』予告編 - YouTube
監督:ホベルト・ベリネール
出演:グロリア・ピレス / シモーネ・マゼール / ジュリオ・アドリアォン
ミス・シェパードをお手本に
ロンドンのカムデン。誇り高き淑女“ミス・シェパード”は、路上に停めたオンボロの黄色い車で自由気ままに暮らしていた。近所の住人たちは、年老いた彼女を心配し親身に世話を焼くが、お礼を言うどころか悪態をつくばかり。ある日、路上駐車をとがめられている姿を見かけた、ベネットは親切心から自宅の駐車場をひとまず避難場所として提供する・・・それから15年。ミス・シェパードは駐車場に居座り続け、ふたりは奇妙な共同生活を送っている。彼女の高飛車な態度や突飛な行動に頭を抱えつつも、いつしか不思議な友情が生まれていた。
劇作家のアラン・ベネットと風変わりなホームレスのミス・シェパードとの交流を描く。
もともと舞台劇で、主演は同じくマギー・スミスが務めていたそう。
そして、脚本のアラン・ベネットの体験した実話に基づいている。
ロンドンの中心部から北西にある特別区カムデン、ここには高級住宅街や人気のマーケット、大英博物館やキングス・クロス駅などもある。
元修道女で、若い頃は音楽のためパリに留学をしていたという彼女がこの地に住み続けるのはなぜなのか、過去に何があったのか。
ちなみにアラン・ベネット本人とマギー・スミスは同い年らしい。

映画『ミス・シェパードをお手本に』 オフィシャル予告 - YouTube
監督:ニコラス・ハイトナー
出演:マギー・スミス / アレックス・ジェニングス / ジム・ブロードベント
ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー
物語の舞台は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の少し前。
銀河全体を脅かす帝国軍の究極の兵器<デス・スター>。無法者たちによる反乱軍の極秘チーム<ロ―グ・ワン>に加わった女戦士ジン・アーソは、様々な葛藤を抱えながら不可能なミッションに立ち向かう。
その運命のカギは、天才科学者であり、何年も行方不明になっている彼女の父に隠されていた・・・。(あらすじ:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー公式サイトより)
エピソード3とエピソード4の間を繋ぐ物語とのこと。
主人公のジン・アーソが子供の頃に連れ去られた父親が、破壊兵器デス・スターの設計に関わっていたかもしれないという展開。
反乱軍に所属する娘は設計図を奪う極秘任務に参加する。
年末年始で最も注目度が高い作品だろうね。
個人的にはドニーさんの存在感が気になる。

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」予告 フォース編 - YouTube
監督:ギャレス・エドワーズ
出演:フェリシティ・ジョーンズ / ディエゴ・ルナ / ドニー・イェン
MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間
マイルス・デイヴィスはトランペット奏者にとどまらず、「ジャズ界の革命児」「ジャズの帝王」とも称されている。しかし彼には、半世紀のキャリアにおいて、創作活動を休止した“空白の5年間”があった。なぜ、彼は活動を休止したのか?そして彼に何があったのか?最愛の妻との別れ、ドラッグ、襲い来る現実と幻想、そして天才であるがゆえの創作の苦しみや隠遁願望…。マイルス・デイヴィスの実像を映画化するのは、極めて厳しいとされてきた。しかし、この作品は史実とフィクションを織り交ぜ、彼の真実に迫り“マイルス・デイヴィス”を描き切った意欲作だ。
1970年代後半、マイルスには空白の期間がある。
1940年代から1990年代に入るまで第一線で活動していたことを考えれば不思議はないが、当時を知る人達には気になることだったのかもしれない。
ドン・チードルが演じるマイルスは表情が優しげだけど、やってることはクレイジーであるというギャップがいいね。
マイルスのアルバムなら「Cookin'」が好き。

映画『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』 予告 - YouTube
監督:ドン・チードル
出演:ドン・チードル / ユアン・マクレガー / エマヤツィ・コーリナルディ
こころに剣士を
1950年初頭、エストニア。ソ連の秘密警察に追われる元フェンシング選手のエンデルは、小学校の体育教師として田舎町ハープサルに身を隠す。その町では、子供たちの多くがソ連の圧政によって親を奪われていた。やがてエンデルは課外授業としてフェンシングを教えることになるが、実は子供が苦手だった。そんなエンデルを変えたのは、学ぶことの喜びにキラキラと輝く子供たちの瞳だった。なかでも幼い妹たちの面倒を見るマルタと、祖父と二人暮らしのヤーンは、エンデルを父親のように慕うようになる。だが、エンデルに不審を抱いた校長は、エンデルの身辺調査を始めていた。
(映画『こころに剣士を』公式サイトより)
元フェンシング選手エンデル・ネリスと子供たちの交流。
子供が苦手なのに小学校の教師を志願した彼は、かつてレニングラードで有名なフェンシング選手だった。
戦争中、ドイツ軍に所属していたことでソ連の秘密警察に追われている。
やがて子供たちにフェンシングを教えることになるが、教え子たちは大会出場を希望するようになった。
開催地はレニングラード。
エストニアはロシア帝国滅亡後の1918年に独立、1940年代以降はソ連、ドイツ、再びソ連と占領されてきた歴史がある。
舞台となるハープサルは、海岸で取れる泥が健康にいいとのことで保養に訪れる人が多かった土地のようだ。
チャイコフスキーも若い頃この地に滞在していたことがある。
ピアノ曲「ハープサルの思い出」や、交響曲第6番「悲愴」もエストニア民謡に着想を得ているとのこと。

映画『こころに剣士を』予告 - YouTube
監督:クラウス・ハロ
出演:マルト・アバンディ / ウルスラ・ラタセップ / リーサ・コッペル
あとがき
とりあえず10本、この時期はさすがに気になるの多いね。
また地域によってはこれから「この世界の片隅に」が公開されるところもあると思うけど、観てない人はそれを最優先した方がいい。
あと、新作じゃないけどガルパンの爆音再上映が決定とのこと。